阪神は6日のDeNA戦(横浜)に10―5で勝利し連敗は2でストップ。2位・巨人も広島を下したためゲーム差1に変動はなかった。

 虎打線は相手先発・ビドの大乱調につけこみ初回に打者一巡の猛攻で7点をゲット。通常ならば楽勝ムードが漂う展開だが真夏の夜の一戦は「最後の最後まで何が起こるか分からない」という独特の緊張感に包まれていた。

〝ハマスタの魔物〟は侮れない――。指揮官・藤川球児監督(46)は6点をリードした7回には木下里都投手(25)。5点差に追い上げられた最終9回には4番手として工藤泰成投手(24)を投入する石橋をたたいた継投策でゲームを締めくくった。

 両者とも今季途中から一軍に定着し、今やチームの勝ちパターン継投を託されるまでになった剛速球派右腕。今後も続く連戦を考えればブルペン内に温存しておく手もあったが、出し惜しみはしなかった。

 チーム状態が上向きつつあるDeNA打線は月間5戦で計27得点と好調を持続。度会、牧、エンカーナシオン、宮崎と続く並びは抜群の破壊力を取り戻している。親会社・DeNAが長い時間をかけて「劇場空間」としてデザインしてきたハマスタの雰囲気は「甲子園とは違う独特の圧迫感がある」と虎関係者も認めるほどだ。6点程度のビハインドを背負っていても、スターナイトブルーに染まった敵地スタンドには逆転への期待と自信が最後まで満ちあふれていた。

 木下、工藤らの起用意図を問われた藤川監督は「まあそれも野球ですから」と真意をひた隠しにする。だが過去には「やはりやりにくい雰囲気がある」「人工芝ということもあり、打球速度が速くなり通常の守備シフトでは追いつけない」とハマスタ特有の〝癖の強さ〟について度々、言及していた。

 何点リードしても安心できない――。そんな空気が今のハマスタには確かに漂っている。藤川監督が最後まで勝ちパターンを繰り出した理由もそこにあったと考えるのが自然だろう。