エースの復活を待っている余裕はない。巨人は17日にジャイアンツ球場で全体練習を行い、18日の中日戦(東京ドーム)に向けて〝再始動〟した。前カードのDeNA戦(横浜)では痛恨の3連敗。首位・阪神との直接対決を制した直後に勢いを失ったが、デッドヒートはなお続く。残り12試合。一つの取りこぼしが、逆転Vの望みを大きく左右しかねない最終局面に入った。

 悪い流れを断ち切る「仕切り直し」の一日。橋上監督代行は「まだ(阪神の)背中を追える状況にあります。選手の士気もそれほど落ちている感じはなく、表情も明るく元気もある。いい雰囲気だと思います」と前を向いた。3連敗を引きずる暇はない。ここからは結果だけが求められる。

 逆転Vと、その先のポストシーズンを見据えれば、最大の焦点は戸郷翔征投手(26)の復調だ。山崎、ウィットリーら先発陣の離脱が相次ぐ中、頼みの右腕も波に乗れない。前回登板のDeNA戦(15日・横浜)では2回7安打9失点(自責5)。自己ワーストの4被弾を喫し、「責任も果たせなかったですし、本当に申し訳ない投球だった」と肩を落とした。

 だが、し烈な首位争いの最中、悠長に再調整の時間を与えられるほど先発陣の台所事情は甘くない。このまま戸郷が本来の姿を取り戻せなければ、終盤のローテーション設計そのものが揺らぎかねない。チーム関係者は「前回は戻りかけていた本来の出力が再び落ち、終始中途半端になっていた。本来なら中継ぎで1イニングを全力投球させる〝荒療治〟も選択肢だが、今はその余裕もない。次回は初回から120%の力で投げ、ギアの入れ方を思い出してもらうしかない」と危機感を口にする。

 井上、竹丸ら若い先発陣が奮闘してきたからこそ、大黒柱の復活はなおさら欠かせない。首位を追う一戦一戦で戸郷に求められるのは、内容以上に勝利へつなげる投球だ。逆転優勝、そして日本一奪還へ――。もがくエースに残された実戦は多くない。真価を取り戻せるか。