ゴロを打たせても、アウトにならない――。シーズン最終盤のワイルドカード(WC)争いに食らいつくブルージェイズに、短期決戦を前に見過ごせない〝奇妙な穴〟が浮かび上がった。
ブルージェイズは16日(日本時間17日)のタイガース戦に5―1で勝ち、76勝77敗。ア・リーグWC最終枠のホワイトソックスを1・5ゲーム差で追う。残り9試合で逆転圏内に踏みとどまる中、米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は17日(日本時間18日)、ブルージェイズが抱える「奇妙な守備問題」に焦点を当てた。
カナダの現地メディア「スポーツネット」のデータによると、9日(同10日)時点でブルージェイズが相手に許したバントを除く内野安打は143本でメジャー最多。ところが、単純に「守備が悪い」で片づけられないところが、この数字の不気味さだ。15日(同16日)時点で守備防御点(DRS)はメジャー5位、平均以上のアウト獲得数を示すOAAは9位、守備による得点価値は2位、捕手のフレーミングは1位。守備全体ではむしろ上位に位置している。
では、なぜ内野安打だけが突出するのか。同サイトは内野陣それぞれの〝局地的な弱点〟に着目した。ウラジミール・ゲレロ内野手(27)は前方への打球に対するOAAがマイナス2で、スプリントスピードも26パーセンタイルにとどまる。アーニー・クレメント内野手(30)は二塁守備でOAAマイナス4、左方向へのマイナス7は二塁守備でワースト。一方、走力は70パーセンタイルで、単純な「足の遅さ」だけでは説明できない。
メジャー1年目から33本塁打、88打点とバットで存在感を示す岡本和真内野手(30)も無縁ではない。三塁守備でOAAはマイナス3で43人中33位。右方向への動きがマイナス4、後方への打球もマイナス2とされる。失策も18を数え、三塁を守った選手ではメジャー最多タイ。横の動きや反応速度には、数字上の課題が浮かんでいる。
ただし、アンドレス・ヒメネス内野手(28)は遊撃守備でOAA19を記録し、メジャー2位。スプリントスピードは60パーセンタイルでも、前方への打球ではOAA7をマークしており、守備範囲や打球判断、ポジショニングの重要性を示している。つまり、143本という異様な数字は一人のミスや単純な走力不足ではなく、複数の選手が抱える異なる弱点が重なった結果とみるべきだろう。
WC争いでは、一つの内野安打が一つの失点、そして一敗に直結しかねない。たとえ10月への切符をつかんでも、短期決戦では小さなほころびほど大きくなる。打線の長打力だけでは消せない〝143本の死角〟をどうふさぐか。ブルージェイズの秋は派手な一発だけでなく、足元の一歩にもかかっている。












