ユニホームを脱げば、穏やかな第二の人生が待っている――。だが、世界最高峰で生きてきた男にとって、引退は「自由」より先に思わぬ空白をもたらした。米経済誌「フォーブス」電子版は16日(日本時間17日)、元ドジャース投手でMLB解説者のロス・ストリップリング氏(36)が引退後に抱える戸惑いを取り上げた。
ストリップリング氏は2012年ドラフト5巡目でドジャース入りし、18年にオールスター選出。ブルージェイズなどを経て24年はアスレチックスでプレーし、25年2月にロイヤルズとマイナー契約を結んで春季キャンプに参加したが、同年3月23日にリリースされ、その後に現役を退いた。
ユニホームを脱ぐ決断は、3人目の息子が生まれた日と重なった。だが野球中心だった生活が止まり、約1年後にはむしろ不安が強まったという。同氏は「何かがおかしいと感じて、何か行動を起こさなければならないという本能的な感覚がある。それが何なのか、少しずつ理解しようとしている」。
現役時代は先発、救援を問わず求められる役割に適応してきたが、引退後は日々の規則性が消え「次に何をするか」を自ら決めなければならなくなった。
ちなみに現在のドジャースを象徴する大谷翔平投手(32)とは同僚ではなかったものの、20年には大谷が所属したエンゼルスへのトレードがまとまりながら破談となる〝幻の共闘〟もあった。その後は敵として対戦し、大谷は三塁打を含む9打数3安打を記録した。
華やかな球歴の先にも迷いはある。長年、チームに求められる役割を担ってきた右腕が今向き合うのは、どうやら「自分自身は何を望むのか」という現役時代とは違う難題のようだ。












