大型契約の大物左腕が、勝負の短期決戦でまさかの〝枠外〟か――。ポストシーズン進出を決めたヤンキースに、思わぬ難題が持ち上がっている。米老舗経済誌「フォーブス」は17日(日本時間同日)、大物左腕カルロス・ロドン投手(33)がワイルドカード(WC)シリーズのロースターから外れる可能性を取り上げた。

 ロドンは3度の球宴選出を誇り、ヤンキースとは2023年から6年総額1億6200万ドル(約252億円)の大型契約を結んでいる。今季はその4年目。実績も契約規模も申し分ない左腕が、短期決戦の入り口でメンバーから漏れるとなれば異例の決断だ。

 背景にあるのは、先発陣の激しい生存競争だ。同誌は米メディア「NJ・ドットコム」のランディ・ミラー記者の見立てを紹介。今季台頭したシュリットラーが第1戦の先発候補として名を上げ、豊富なポストシーズン経験を持つコール、フリードらも控える。3試合制のWCシリーズでは先発枠が限られるだけに、実績十分のロドンといえども安泰ではない。

 ミラー記者は「コールが好調なシーズンを終え、第3戦の先発に選ばれ、ロドンはWCシリーズのロースターから外れる」と予想した。大型契約左腕が〝当落線上〟に置かれるという、にわかには信じがたいシナリオだ。ただ、ロドンも簡単には引き下がらない。左肘の故障で今季2度、負傷者リスト(IL)に入ったが、11日(同12日)のメッツ戦では今季最長の6回1/3を投げ、3安打2失点(自責1)、8奪三振1四球。16日(同17日)のツインズ戦でも6回2失点と試合をつくった。直近2登板で結果を残し、首脳陣に改めて難しい選択を突きつけている。

 フォーブスも、ロドンの上昇ぶりによってロースター決定が一層複雑になる可能性を指摘した。フリードの状態次第では序列が動く余地もあり、「外れるのが既定路線」と言い切れる段階ではない。

 16日(同17日)終了時点でヤンキースはア・リーグ東地区2位ながらWC最上位。現状の順位なら宿敵レッドソックスとのWCシリーズが視野に入る。主砲ジャッジのコンディションにも不安が生じるなど、短期決戦を前に気がかりは尽きない。

 大型契約も華々しい実績も、3試合制では席を保証してくれない。1億6200万ドル左腕を外すのか、それとも土壇場の快投を買うのか。ヤンキースのぜいたくな悩みは、そのまま秋の命運を左右する〝選別〟になりそうだ。