ソフトバンクは19日の楽天戦(楽天モバイル最強パーク宮城)に2―5で敗れ、連勝が9でストップした。最多勝と最高勝率を射程にとらえている前田悠伍投手(21)は5回途中5失点(自責2)という内容で今季初黒星。開幕から無傷の13連勝を逃した。

 チームはすでにリーグ制覇を決め、クライマックス・シリーズ(CS)のアドバンテージを意識した戦いに移行。優勝が決まってから最初のゲームは、守備のほころびが出ての完敗となった。5回までにまさかの1試合4失策。伝統的に堅守を誇るチームだけに、10年ぶりの出来事だった。

 試合後、多くの報道陣に囲まれた前田悠は「ずっといいプレーで助けてもらっているし、攻撃で点を取ってもらっている。僕があの場面を抑えられないといけなかった。ああいうことはこれからもあると思う。そこでしっかりと抑えられるような力をつけていきたい」と日頃の堅守に感謝し、低調だった自身のパフォーマンスに目を向けた。

「もう少し初球の入りだったりを際どく投げ切れたら、話は変わってきたと思う」と分析した上で「今までがうまくいきすぎていた部分がある。まだまだレベルアップする要素がすべてにおいてある。しっかり洗い出してレベルアップしていきたい」と前を向いた。

 敗れてなお際立つ〝すごみ〟があった。周囲の注目は2つのタイトルがかかった登板に向いていたが、本人は全くの無関心。そればかりか試合後は「(CSファーストステージを勝ち上がってくるチームの)勢いとかもあるし、そういう短期決戦の中ではより慎重に、でも大胆にいくところはいかないといけないと思うし、打たれないようにやっていきたい」とポストシーズンに向けた準備に余念がなかった。

 小久保監督も「悠伍は1回抹消する。今後は(育成方針を主導する)フロントを含めて詰める。どっちにしろCS前の調整登板は必要」と言及。残り10試合となったレギュラーシーズン中のタイトル争いをにらんだ起用というよりも、いまや絶対戦力に成長した左腕のCSに向けた調整を最優先させる方針だ。

 高卒3年目の21歳。欠かせない存在となり、チームの信頼に全身全霊で応えようとする姿は末恐ろしい。