CS進出が決まっても、まだ戦いは終わらない。パ・リーグはソフトバンクが3連覇を達成し、西武、日本ハムもクライマックス・シリーズ(CS)への切符を手にした。それでもレギュラーシーズン最終盤まで気を抜けない事情がある。今季から改定されたCSの新制度だ。
昨季までファイナルステージは、リーグ優勝チームにあらかじめ1勝のアドバンテージが与えられ、最大6試合で先に4勝したチームが日本シリーズへ進出する方式だった。今季からはファーストステージ突破チームが「(1)リーグ1位とレギュラーシーズンで10ゲーム差以上」「(2)レギュラーシーズン勝率5割未満」のいずれかに該当した場合、1位球団のアドバンテージが2勝に増え、最大7試合の5戦先勝制となる。
19日の全試合終了時点で、1位・ソフトバンクと2位・西武はちょうど10ゲーム差。3位・日本ハムは西武から1・5ゲーム差につける。つまり現状では、西武、日本ハムのどちらがファーストステージを突破しても、ソフトバンクとのゲーム差は「10以上」。このままならファイナルステージは、王者が2勝を手にした状態から始まる。
2、3位争いだけでも激しい西武と日本ハムだが、その先を考えれば話は別だ。ファイナルステージを従来通り1勝のアドバンテージから始めるには、最終的にソフトバンクとの差を10ゲーム未満、つまり9・5差以内まで縮める必要がある。CS進出を決めても、残り1試合の重みは決して小さくない。
一方、セ・リーグは首位・阪神、2位・巨人がCS進出を決め、DeNAを含めてなお頂点を争っている。どこがVを奪取してファイナルステージから出場するにせよ、残り試合数を考えれば1位と2位の最終的なゲーム差が10以上まで開く可能性は低い。セは優勝チームの1勝、パはソフトバンクの2勝からファイナルが始まる――。そんな対照的な構図も現実味を帯びてきた。
そこで浮かび上がるのが、レギュラーシーズンにおける〝1勝の価値〟を巡るなんとも皮肉な数字だ。今回の制度改定には、シーズンの戦績をより反映させ、勝率や勝ち星を含めた年間143試合のペナントレースの価値を損なわない狙いがある。
ところが今季は、パのCS進出3球団が高い勝率を残し、交流戦でも西武、ソフトバンク、日本ハムが1~3位を独占した。もちろん別リーグ同士の成績だけで単純に〝実力差〟を断定することはできない。それでも最終的にパの優勝球団だけが2勝のアドバンテージを得ることになれば、リーグ内のゲーム差を重視する新制度が、リーグ間の力関係とは別の〝ねじれ〟を生むことになる。制度改定初年度から、その功罪が早くも問われるCSとなりそうだ。












