答えが出るのは30年後になるかもしれない。ペナントレースを圧倒的強さで駆け抜け、パ・リーグ3連覇を達成したソフトバンク。就任から3年連続で優勝に導いた小久保裕紀監督(54)にとって、V3の偉業はあくまで通過点にすぎない。自らに「宿命」として課すのは、鷹を〝球界の盟主〟に押し上げること。勝つことで地位を高め、発言力を持った組織としてNPBをけん引する――。鷹の将が明確なビジョンを持ち、さらなるチーム強化を誓った。
残り11試合となったペナントレースの戦いも、落とせないゲームが続く。NPBは、今季からCSファイナルステージのルール変更を決定。勝率5割未満のチームや首位に10ゲーム差以上を引き離されたチームがファイナルステージに進出した場合、1位球団のアドバンテージをこれまでの「1勝」から「2勝」とした。
現時点で2位・西武とは11ゲーム差、3位・日本ハムとは11・5ゲーム差。昨季までは優勝決定後、タイトルのかかった選手を除いて主力陣を休ませたり、ポストシーズンに向けた調整の意味合いも強かったが、今季から状況が一変。小久保監督も優勝から一夜明けた18日に「優先順位の一番上に『10ゲーム』というのを持ってやろうかなと思っている」と語った。
指揮官の目はすでに、2年連続日本一に向けた戦いはもちろん、さらにその先へと向いている。鷹を〝球界の盟主〟に――。今年1月の12球団監督会議での一コマを回想しながら熱い思いを打ち明けた。
「僕らが一昨年10ゲーム以上離した時にはなんの議論にもならなかったのに、去年阪神がやると議論が上がるんですね…と、座長を務めた場で言った。コミッショナーの前で。みなさん苦笑いを浮かべていらっしゃったけど、事実そうだから」。忌憚のない意見が求められる場で、信念ある発言だった。
3連覇の先に、何を描いているのか。
「歴史とは積み重なっていくもの。例えば30年後のプロ野球の世界で(議論を呼ぶテーマがあって、当事者として)ホークスにそういうことが起こった時に球界全体が動くというね。そういうところにホークスを持っていく。自分がやっている間に、そういう志を持ったチームづくりをするのが僕のビジョン。これまでは巨人軍がプロ野球の歴史をつくってきたけど、これが30年くらいしたら変わってくるかもしれない。そのためにやるというのが、現場で携わっている人間の義務であり、宿命だと思っている」
何のために勝ち続けるのか。かねて、そのビジョンを組織のリーダーが示すことが大事だという考えを持ってきた。
「孫オーナーは経営者のみなさんの前で『この失われた30年というのは経営者が悪い』とはっきりおっしゃっていた。それはビジョンと数字を示していないからと。僕は、その話を自分事としてとらえている」
一目置かれる存在となり、オピニオンリーダーとして球界の発展に尽くす。そのためには、やはり強い集団であり続けなければならない。「そうなっていくために、今やらないといけないということ。それが球団が最終的に目指す『世界一』につながることだと思っている」。
大きな変化を生み出す主体となるには、順序がある。3連覇の先に見据えるものを共有し、さらに勝ち続ける。













