最後は大型連勝でリーグ3連覇の栄冠をつかみとったソフトバンク。そんな中で今季、再び輝きを放ったのが柳田悠岐外野手(37)だ。10月に38歳を迎えるチーム最年長は打率2割9分7厘、17本塁打、63打点で3年ぶりに規定打席に到達。特に状態を上げた夏場以降の存在感はチームでも随一だった。直近2年はケガに悩まされた中で示した〝復活〟。本紙評論家でカムバック賞の受賞経験もある加藤伸一氏が、「ギータ復活」の要因を語った。

 小久保政権の3年間で一番強さを感じた今季の戦いっぷり。そんな中で柳田も充実したシーズンを送っているのではないか。今季は死球はあるが、近年のような大きなケガがない。それはこれまでの〝経験値〟が生きている結果だ。何度かケガをすると、次第に「これ以上いくとケガの恐れがある」というラインがわかってくる。ここ数年、リハビリ組で苦しんだ学びがつながっていると言えるだろう。

「今年で38歳」とひとくくりにしても、柳田の場合は身体がまだまだ若い。入団時はコーチとして彼を見ていたが、当時から身体能力は高く体の強さもあり、秋山幸二さんをほうふつとさせるものがあった。体つきもいい意味でスリムで、若さを保てている。

 身体的な要因に加えて、精神的な要因も欠かせない。柳田からは「俺はもうベテランだから」という雰囲気を感じない。若い選手と同じように同じメニューを消化して、いい意味で落ち着いていない。「自分で老け込まない」というのは大切な要素だ。

 今年が7年契約の最終年。当然、今季にかける思いは強かったはずだ。私がカムバック賞を獲得したのは、ホークスを自由契約になり広島に移籍した1996年。チームが変わって1年目。チャンスをもらい「ここでダメならもう終わる」という気持ちだった。自分の野球人生の最後という思いで365日野球に徹する。その結果が復活につながった。柳田にしても今年は多少なりとも「ラストイヤー」という覚悟があったはずだ。それも好成績を導いた一因と言えるだろう。

 7月にはともにホークスの一時代を築いてきた中村晃が引退を発表した。戦友の引退表明をどのように感じとったか。「まだまだ老けるわけにはいかない。頑張るぞ」と思ったのではないか。同世代の選手の分まで、来季もギータらしい活躍を期待したい。