期待の先発右腕が、優勝争いの最前線で「使いどころ」を探される存在になってしまった。ポスティングシステムで西武からアストロズへ移籍した今井達也投手(28)のメジャー1年目が、何とも寂しい終盤を迎えている。米メディア「スポーティング・ニュース」は18日(日本時間19日)、今井について「アストロズはもっと大きな期待を寄せていた」と指摘。今季21試合で6勝4敗、防御率5・13と、3年総額5400万ドル(約85億2000万円)の大型契約に見合う働きには至っていない。
象徴的だったのが16日(同17日)の本拠地ロイヤルズ戦だ。1―5とリードされた9回に登板。1四球を与えたものの1回無安打無失点、1奪三振で切り抜けたが、役割は事実上の敗戦処理だった。今井の登板は9日以来1週間ぶり。7月末に先発ローテーションから外されて以降はロングリリーフ中心となり、登板間隔も空くなど存在感は薄れつつある。
今季はスタートからつまずいた。4月には右腕の疲労で負傷者リスト(IL)へ入り、自身も「野球もそうですし、野球以外のところでも」と、移動や食事のタイミングなど米国での生活への適応に予想以上に苦労している胸中を吐露。一時は6月25日(同26日)の敵地タイガース戦で6回無失点、10奪三振の快投を見せるなど復調の兆しもあったが、安定感を取り戻すまでには至らなかった。
決定打となったのが7月27日(同28日)の敵地エンゼルス戦。先発してわずか2アウトしか奪えず降板し、同月末にはブルペンへの配置転換が決まった。当時15先発で防御率5・83。ジョー・エスパーダ監督は立て直しを図る方針を示したものの、その後も先発復帰は果たせていない。
さらに厳しいのが「新人」としての評価だ。「スポーティング・ニュース」が紹介した米メディア「ブリーチャー・レポート」のケリー・ミラー記者の批評は、開幕前なら今井がアストロズの新人選手として名前を連ねると予想されていたとしながら、40イニング以上を投げた投手で四球率が最悪だと指摘。代わってロングリリーフで存在感を示したAJ・ブルボー投手(26)を高く評価した。
新人王争いどころか、いまはチーム内で自らの居場所を取り戻すのが先決という立場だ。アストロズは17日(同18日)終了時点で2位のレンジャーズに1ゲーム差をつけ、77勝76敗とア・リーグ西地区の単独首位。それだけに1試合も落としたくない終盤戦で今井を重要局面に送り出しづらい現状は、高額契約を抱える球団にとって悩ましい。
アストロズと締結中の3年契約は今井が今オフ、オプトアウトしなければ来季以降も2年が残る。スポーティング・ニュースも残された期間での巻き返しに触れているが、先発ローテーション復帰まで保証されているわけではない。
大型契約という「看板」は残っても、マウンド上の序列は別物だ。敗戦処理まで後退した立ち位置から、今井はもう一度、勝負どころを託される投手へはい上がれるのか。来季の居場所を決めるのは契約書の数字ではなく、残された登板で示す中身しかない。












