名古屋に反攻の気配が漂い始めた。中日は5日のヤクルト戦(バンテリンドーム)に4―1で勝ち、前夜に続く連勝でカード勝ち越し。借金「16」の最下位ながら3位・ヤクルトに4ゲーム差まで迫った。

 勝利の立役者は先発した涌井秀章投手(40)だ。最速150キロの直球を軸に6回2安打1失点と好投。井上監督も「涌井の粘り強い投球が今日の勝利に結びついたと思います」と投手陣最年長の右腕をたたえた。

「もう少し投げれたらもっと良かったですけど、勝ったまま(リリーフ陣に)つなげたので良かったです」と振り返った涌井は今季3勝目。先発した7試合でチームは5勝2敗と白星が先行し、球団内でも「涌井はもってますよ。ベテランが勝ち星を運んでくれる」と評価が高まっている。

 7月19日放送の中日応援番組「サンデードラゴンズ」(CBCテレビ)では、元中日監督の落合博満氏と森繁和氏が対談。落合氏は森氏に「お前、涌井の使い方、どう思う?」「下(二軍)で投げられるんなら、上(一軍)で投げさせるピッチャーじゃない?」「涌井と競争させて力があるのであれば投げさせてもいいけど、将来的なことを考えて、若いからこっちにするというのはどうもオレの中では分からない部分」と語った。

 涌井は開幕二軍スタートとなり、6月7日の西武戦(バンテリンドーム)でようやく今季一軍初登板。リーグ優勝4度、日本一1度の名将も、その実力を高く評価していたということだろう。

「まだ最下位なので3位、4位がどうこうとかじゃなくて一個一個。1ゲーム差で常に(最下位脱出を)はね返されてるので、そこをまずクリアしていかないとダメだと思う。でも上位のチームと戦って連勝できたのはいいと思います」と涌井。

 チームの立ち位置は3位浮上まで2球団を挟むだけに、Aクラス入りが射程圏に入ったとみるのは早計だ。14年ぶりのクライマックスシリーズ進出を語る前に、まずは最下位脱出が先決となる。その歩みを進める上で、勝利を呼び込むベテラン右腕の投球は欠かせない。