〝売り手〟が、まさかの即戦力補強に打って出た。ブルージェイズが米東部時間3日午前(日本時間4日未明)、エンゼルスからホセ・ソリアーノ投手(27)をトレードで獲得したことが明らかになった。前日の2日(同3日)にケビン・ガウスマン投手(35)をカブスへ放出したばかり。今夏の市場で再建へかじを切った球団が、そのわずか約12時間後に先発ローテーションの穴を埋める異例の一手を繰り出した。
ブルージェイズは2日(同3日)終了時点で52勝60敗と負け越し、ア・リーグ東地区最下位。首位レイズには13・5ゲーム差をつけられ、今夏の市場では主力を放出して再建を進めざるを得ない立場に追い込まれていた。そんな〝売り手〟が今夏、即戦力のソリアーノ獲得に踏み切ったのだ。
米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」によると、ブルージェイズは交換要員として、球団2位の有望株アルジュン・ニンマラ内野手(20)、エディ・ミケレッティ・ジュニア外野手(24)、アンヘル・リベロ投手(19)をエンゼルスへ送った。将来を嘱望された若手3人を差し出したことからも、ソリアーノを単なる穴埋めではなく、再建の軸に据える意図がうかがえる。
同サイトは、ブルージェイズが期限までに「売却と長期的な買い付け」を同時に進める方針だったとし、締め切りまで約9時間を残して双方を実現したと伝えた。ガウスマンを放出して若手を回収する一方、今季終了後も2年間、2028年まで球団保有権があるソリアーノを獲得。今季の勝負を見切って未来だけに振り切るのではなく、来季以降に勝てる即戦力まで同時に確保する〝売りながら買う〟市場を驚かせるレアな再編となった。
ソリアーノは今季22試合に先発して9勝6敗、防御率3・29。開幕から最初の1か月は37回2/3を投げて防御率0・24、43奪三振と圧倒した。その後は12試合で防御率5・34、36四球と不安定さを露呈したものの、7月は4先発で23回を投げて7失点と復調。2024年以降は75試合中73試合に先発し、防御率3・73を残しており、ガウスマンの後継を務めるだけの実績と伸びしろを兼ね備える。
この補強は、岡本和真内野手(30)にとっても朗報だ。メジャー1年目の今季は2日時点でチーム最多の24本塁打、69打点をマークし、打線の中軸を担ってきた。だが岡本が得点を生み出しても、先発陣が崩れれば再浮上は難しい。長期保有できるソリアーノがローテーションの柱として定着すれば、岡本を中心とする打線の奮闘を勝利へ結び付ける土台となる。
再建とは、主力を手放して若手だけを集める作業ではない。ガウスマンを売って有望株を得ながら、若く実績のあるソリアーノを買う。ブルージェイズが見せたサプライズ補強は、岡本とともに早期の巻き返しを狙うための、したたかな〝攻めの再建〟と言えそうだ。












