売れる戦力を手放すだけでは、低迷から抜け出せない。すでに今夏のトレード市場で「売り手」に回るブルージェイズが、目先の戦力整理と来季以降の再建を同時に進める大型商談に乗り出す可能性が浮上した。
米メディア「ヤードバーカー」は30日(日本時間31日)、ブルージェイズと、ポストシーズン争いで生き残りを図るフィリーズが、トレード相手として浮上していると報じた。フィリーズは先発ローテーション、ブルペン、外野に補強ポイントを抱える。MLBネットワークのジョン・モロシ記者は、ブルージェイズのドールトン・バーショ外野手(30)、ジョージ・スプリンガー外野手(36)、ケビン・ガウスマン投手(35)、シェーン・ビーバー投手(31)、ジェフ・ホフマン投手(33)が、その需要に合致すると指摘した。
中でもフィリーズが強い関心を寄せているとされるのがバーショだ。29日(同30日)終了時点で打率2割4分7厘、7本塁打、19二塁打と打撃は物足りないものの、外野守備を含む総合力は短期決戦を見据えるチームにとって魅力となる。古巣で球宴選出経験のあるホフマンの復帰も強く望んでいるとされ、ガウスマンかビーバーまで加われば、複数の弱点を一度に埋める大型取引へ発展しかねない。
一方のブルージェイズは、契約状況や年齢を見極めて主力を整理し、来季以降の土台となる若手有望株を回収できる。両球団の春季キャンプ施設が隣接しており、トロント側がフィリーズ傘下の人材を把握しやすいことも交渉を後押しする材料だ。
交換要員の候補はゲージ・ウッド投手(22)やエイダン・ミラー内野手(22)。フィリーズの育成組織は米誌「ベースボール・アメリカ」で全30球団中29位との評価ながら、この2人を軸とするパッケージなら商談成立の余地はある。
再建で忘れてはならないのが、ブルージェイズで打線の中核を担う岡本和真内野手(30)だ。30日現在、24本塁打、68打点はいずれもチームトップ。低迷するチームで文字通り孤軍奮闘を続けている。
苦しいチーム状況でも長打力を発揮しているが、岡本一人の奮闘だけでは白星を積み重ねられない。今夏に必要なのは単なる主力の切り売りではなく、岡本ら残すべき中核の周囲を若い戦力で再構築すること。フィリーズとの商談は、低迷脱出への設計図を示す重要な一手となりそうだ。













