楽観は禁物か。日本ハムの大砲、フランミル・レイエス外野手(31)の去就が球界内で大きな注目を集めている。昨季のパ・リーグで本塁打と打点の2冠に輝いた優良助っ人は、今季も2年連続で30発超え。来季からセ・リーグでもDH制が導入されるとあって、争奪戦はかつてないほど激化するとみられ、日本球界では破格の「年俸10億円」クラスの札束合戦に発展しそうだという。

 来日3年目のレイエスは14日までに127試合に出場して打率3割1分4厘(パ1位)、32本塁打(2位)、81打点(3位)とパワー全開。慢性的なかかと痛を抱えながらも爆発的な打力で、新庄監督率いるチームを上位に押し上げる原動力となっている。

 チームに不可欠な主砲とあって、球団側はシーズン中からレイエスとの契約延長交渉を継続。本人も北海道やチームに愛着があり、8月28日のロッテ戦(エスコン)後にはお立ち台で「僕は永遠にここにいたい」とアピールした。

 こうした発言もあり、残留が濃厚とみられていたが、球団関係者によれば交渉はまだ決着していないという。それどころか「来季からセ・リーグで指名打者制が導入されることもあるためか、ここにきて複数球団が水面下で猛烈なラブコールを送り始めているとの情報がある」と、他球団の強奪に危機感を募らせているのだ。

 助っ人の獲得に精通するパ・リーグの元球団編成担当は「レイエスが北海道と日本ハムに強い愛着を持っているのは疑いのない事実なのですが、気になるのは代理人側の動きです」とした上で裏事情を明かした。

「現段階で、ここ数年のチームの功労者とあって、日本ハムはレイエス側に今季年俸4億5000万円(推定)からの大幅アップと複数年を含めた大型契約を提示し、最大限の誠意を見せているようです。ただ、その提示額を上回る金額と年数を他球団がレイエスの代理人側に用意しているというウワサがあるのです。一説では年ベースで10億円近い破格条件をチラつかせているともささやかれていますから。日本ハム側もその動きを懸念しているのでしょう」

 外国人選手の契約は、基本的に本人や家族の意向が最大限尊重される。だが、選手から契約締結を託される代理人側は、助っ人の要望を把握した上で獲得を希望する球団から少しでも良い条件を引き出すことが仕事だ。時には複数球団を天秤にかけて好条件を引き出すこともある。

 その過程である球団から破格条件が提示されれば、代理人側が選手に対して移籍を勧めることも珍しくない。こうした一発逆転のケースがまれにあるからこそ、日本ハム側も正式な契約締結までは気が抜けないのだろう。

 前出の日本ハム関係者に改めて交渉の進捗を聞くと「レイエスの獲得に動く球団が最終的にどの程度の年俸や条件を出すか。そこを正確に把握したい」とこう続けた。

「レイエスはここ数年で最もチームを愛し、サポートしてくれた外国人選手なので、金銭面や家族の環境面などを含め、最大限考慮した上で全力で契約延長を実現させたい。仮に他球団が獲得に動いても最後まで誠意を見せるつもりです。ただ、あまりにも膨大な金額が動くマネーゲームになると他選手との年俸バランスの問題も出てくる。他球団の動きをけん制することはできませんが、その辺りが最後の決め手になるはずです」

 一般的に優良助っ人の契約延長はどの球団でも難航するが、日本ハムは難局を乗り越えて残留させられるのか。まだまだ予断を許さない。