最終兵器は〝四刀流〟か――。パ3位の日本ハムが13日の西武との上位対決(ベルーナ)に7―1で大勝し、2位まで1・5ゲーム差に接近した。今後のポストシーズンに向けた備えも必要となる中、新庄剛志監督(54)の脳内には2年目の二刀流戦士・柴田獅子投手(20)を巡る仰天計画も練られているようだ。

 まさかの守備練習が周囲をザワつかせた。前日12日の同戦で延長12回に救援登板して1イニングを無失点、最速156キロを計測した柴田がこの日の試合前に一塁での練習に取り組んだのだ。新庄監督や谷内内野守備走塁コーチらから指導は約20分間にも及んだ。

 昨季が1年目だった柴田は一軍では投手に専念し、今季から投打での出場が解禁された。ただ、ポジションは投手と代打、守備に就かないDHに限られ、二軍でも野手としては出場していない。

 そんな状況下での突然の一塁守備だっただけに、見守ったチーム関係者も「本当にやるの?」と驚くばかり。本人も「監督と昨日(12日)話をして『ファースト、練習』って言われたので」と苦笑いを浮かべながらも「高校時代は(一塁を)やってましたけど、プロでは一度もやってないので。でも意外といけるというか球際もうまく(ミットにボールが)入りましたし」とまんざらでもない様子だった。

 背景には好調な打撃を生かす狙いが見え隠れする。今季はファームで8本塁打を記録し、一軍昇格後に先発出場した9日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)でも4打数2安打。代打で出場した翌10日は鷹の元守護神・オスナから右前打も放った。だが、チームのDHには主砲のレイエスが君臨し、柴田の出場機会は限定的。そこで新たな可能性を模索しているようだ。

 ところが、球団関係者は投手、DH、一塁にとどまらない「四刀流構想」もあると打ち明けた。

「今のチーム状況では柴田は指名打者としてしか起用できないので、新庄監督は柴田の野手起用をずっと思い描いていたようです。もちろん、その中には一塁だけでなく外野手起用も含まれる。チームの外野陣は今、手薄ですからね。間近に迫るCSを見据えれば当然のことでしょう。もし柴田が一塁か外野の守備につくことができれば、打線の破壊力が増し得点力向上も見込める。CSで西武やソフトバンクに勝つためには投手が最少失点に抑え、打線が1点でも多く得点を取らなければならないですから」

 振り返れば、新庄監督も思わせぶりな言葉を残していた。ホークスに3連敗を喫した10日の試合後に「(柴田は)代打としても期待しますし、スタメンも…。何か考えたいですね」。それが〝四刀流〟ということだったのか…。

 この日、谷内コーチは「(柴田が)今後いつ守るかは球団が決めること」と前置きし「ファーストなのか外野なのかは球団と相談してから」と語るにとどめた。新庄監督の決断と若武者の今後から目が離せない。