本塁打王争いの火花が、虎の連覇ロードにも飛び火するのか。セ首位の阪神は6日のDeNA戦(甲子園)に1―4で敗れ、2連敗。先発・大竹が3回途中6安打3失点と崩れると、打線もDeNA投手陣を攻略できず黒星を喫した。

 この日唯一の得点をマークしたのは4番・佐藤輝明内野手(27)だ。3点ビハインドの4回二死無走者で迎えた第2打席で内角への148キロ直球を捉えると、白球は右中間席に着弾。セ・トップを走る35号ソロで雨中の一戦を大きく沸かせた。

 反撃ののろしとなる一撃に虎ベンチも盛り上がったが、そんな中ひとり複雑そうな表情を浮かべていたのが森下翔太外野手(26)だ。直前の打席では、カウント3―0から甘い直球を打ち損じて中飛。ここまで32本のアーチをマークしているが、この日でサトテル先輩に3本差とされた格好だ。森下&佐藤の2人で行う恒例のホームランセレブレーションも、この日は行われなかった。

 負けん気と反骨心の強さを武器に球界屈指の強打者にまで成長した虎のヤンチャ小僧・森下。だが球団OBからは「佐藤との本塁打王争いに何としてでも勝ちたい気持ちは伝わってくるんだけど、そのせいでチームバッティングを忘れてしまうことも多い。そのあたりは佐藤や大山あたりを見習ってほしいよね」との注文も向けられている。

 優勝マジックは18のまま。しぶとく追走する2位・巨人とのゲーム差も2・5に縮まり、球団史上初となる連覇への道はそう容易ではない。打線のつながりの悪さにも泣き、カード負け越しを喫した藤川監督は「必ずこういう時もありますから。変わらずやりつづける」と前を向き、「火曜日からまた新しいゲームが始まる」と切り替えを強調した。

 打者泣かせの甲子園を本拠地にしながら、シーズン最終盤まで本塁打王を争う佐藤と森下。アイブラック兄弟の切磋琢磨は、個人タイトルだけでなくチャンピオンフラッグの行方をも左右しそうだ。