リーグ3連覇を目指すパ首位のソフトバンクは5日の西武戦(みずほペイペイ)に2―0で競り勝ち、2カードぶりの勝ち越しを決めた。2位との直接対決を制して、ゲーム差は「7」に拡大。優勝へのマジックナンバーを2つ減らして「14」とした。
先発・大津が7回4安打、無失点の快投でハーラートップタイの11勝目。4番・栗原が初回に決勝犠飛、6回には貴重な追加点を叩き出す適時二塁打を放って勝利に大きく貢献した。
お立ち台に上がった2人とともにこの試合にはもう一人、殊勲者がいた。攻守で唯一無二の存在感を放った周東佑京外野手(30)だ。まさに「周東じゃなければできない」というプレーのオンパレードだった。決勝のホームを踏んだ初回。2つの好走塁があった。
1つ目は一死から鮮やかな中前打で出塁し、続く3番・近藤の痛烈な右前打で三進したシーン。チーム内から「そもそも周東じゃなければ、三塁までいけていない」という感嘆の声が上がる圧巻の走塁だった。2つ目は犠飛となった栗原の浅い中飛で本塁生還を果たした果敢な突入。これも「周東じゃなければ――」のワンシーンだった。
守りでも〝周東ならでは〟のビッグプレーでチームを救った。6回二死一塁。大津が林安可に投じた外角低め要求の真っすぐが高めに浮き、それを強振された。打球は左中間深くへ伸び、痛打を確信した大津は思わずマウンドに座り込んだ。
だが、結果は「中飛」。周東が反応の良さと快足を飛ばして余裕を持って落下地点に入り、最後はフェンス際でタイミングよくジャンプして林安可の長打を封じた。チームが2点目を奪ったのは直後の攻撃。チームの士気を高め、勝機をグッとたぐり寄せる好守だった。
球場中の視線を一身に集めた走塁も、守備も「どっちも全然いけると思ってましたよ。とにかく毎日、毎試合、今できる状態の中で自分の役割を果たすだけです」と平常運転を強調するあたりが周東らしかった。守備で派手なプレーを好まないのは、痛打を浴びた投手を思いやってのこと。集中力に加え、細かな気遣い、視野の広さが高度なプレーを生んでいる。
勝負の9月、大事な上位対決で別格の存在感を放った30歳。幾度も優勝争いを経験し、WBCなどの国際大会で修羅場をくぐってきた。淡々とプレーしているが、打撃を含めて精度や質が上がっているからこそ、走攻守の安定感が増している。
味方には安心感を、相手には絶望感を――。プロ野球選手としての真価が問われるシーズン終盤に、唯一無二の存在価値を証明している。














