二刀流の夢を追うほど、肝心の「10月の大谷」が削られてはいないか――。満身に不安を抱えるスーパースターへ、米スポーツ専門局「ESPN」が容赦のない問いを突きつけた。
ドジャースの大谷翔平投手(32)は3日(日本時間4日)、本拠地でのカージナルス戦を欠場した。前日2日(同3日)の同戦では4三振。延長10回の最後の打席ではスイング後に右腕を振るしぐさを見せ、首の右側から腕にかけて痛みを感じていた。大谷の欠場は7月30日(同31日)以来で、状態は日々の判断。負傷者リスト(IL)入りの可能性は現時点で低いとみられているものの、先行きはなお不透明だ。
しかも、問題は首だけではない。大谷は左膝痛のため7月3日を最後に登板しておらず、先週のブルペン投球も左膝と右上腕二頭筋の痛みが長引いたことで途中終了。そこへ今回、右首から腕にかけての痛みまで加わった。ロバーツ監督もシーズン終了までに大谷のすべてが100%に戻るとは見ておらず、二刀流継続には黄色信号がともっている。
そうした中、ESPN電子版は4日(同5日)、「大谷翔平は10月に登板するのか」と題した記事を掲載。まるでドジャースと大谷本人への〝公開質問状〟のように5つの疑問を並べた。最大の論点は「球団が大谷に最も求めているのは投球か打撃か」。ドジャースは大谷抜きでも10月を戦える強力な先発陣を抱える一方、7月以降の打線はOPS0・703でメジャー22位、1試合平均4・2得点で同23位と低迷。ロバーツ監督も大谷の攻撃面での価値を損なうことはできないとの考えを明確にしている。
ESPNはさらに「投球が打撃に悪影響を及ぼしているのか」、「痛みは実際どの程度なのか」、「走塁はどうするのか」、そして「10月の登板可能性を残す価値が本当にあるのか」と次々に切り込んだ。大谷は直近51打数で7安打、20三振。今季の盗塁企図も14度にとどまり、6、7月はゼロだった。投手との両立が打撃だけでなく、走塁の積極性にも影を落としている可能性が浮かぶ。
一方で、大谷を投手として完全に封印する決断も簡単ではない。ポストシーズンで数イニングでも投げられれば大きな武器となるためで、ロバーツ監督も投手として休ませることは「選択肢の一つ」としつつ、最終的には本人の意思も尊重する姿勢だ。
とはいえ二刀流を守るために、10月の大谷そのものを削っては本末転倒だ。投げるのか、打つのか、走るのか――。ESPNの5つの問いは、ドジャースがいまだ答えを出せずにいる「何を守り、何を捨てるのか」という決断を、いよいよ真正面から迫っている。












