地の利を知り尽くした本拠地で迎えた天王山第1ラウンドを制した。阪神は28日の巨人戦(甲子園)に4―1で快勝。投打が噛み合った圧巻の横綱相撲で2位・巨人とのゲーム差を2・5に広げた。球団史上初の連覇を狙う猛虎は、翌29日のカード第2戦で勝つか引き分けるかで優勝マジックが点灯する。
夏の長期ロードを終えた阪神はこの日から本拠地に帰還。直近5試合は横浜スタジアム→バンテリンドームと本塁打が出やすい球場で戦ってきたこともあり森下、佐藤らの長打力を軸にしながら得点を重ねてきた。だが、前夜27日の中日戦(バンテリン)終了後「ここからは甲子園の野球に変わる」と藤川球児監督が語った通り、ひと味違うオフェンスを見せた。
チームは7安打で効率よく4得点をマークしたが、そのうち長打は初回近本の先頭打者弾と、5回森下の中越え二塁打の2本のみ。セ・トップのチーム本塁打「103」を誇る猛虎打線は大振りを避け、つなぎを意識した攻撃で巨人投手陣を攻略した。
象徴的だったのが2打数2安打2打点1四球の好成績をマークし、お立ち台にも選ばれた大山悠輔内野手(31)だ。3回一死一、三塁の第2打席では右方向への逆らわない打撃で前進守備の一、二塁間を割る右前適時打。5回一死三塁の第3打席でも右翼へ手堅く犠飛をマークし貴重な追加点をチームにもたらした。
タテジマ一筋。プロ10年目。浜風が吹く12球団屈指のピッチャーズパーク・甲子園の戦い方を熟知する背番号3は試合直後でも「勝ったことが一番。きのうの試合で得点圏で仕事ができなかったので。また明日も頑張ろうと思います」と淡々とした対応。寡黙な男の渋い貢献、まさにいぶし銀だ。
重要な一戦を制した藤川監督は〝注文通り〟のオフェンスを遂行してくれた大山に対し「ここまでの経験と、それに裏打ちされたものがある。よくやってくれている」と全幅の信頼を示す。「あすもこの形を続けること。この姿を失うことなく戦っていきたい」とチーム状態の良さに手応えをにじませた。













