エースの闘いはまだ終わらない。ベスト4で散った横浜(神奈川)だがプロ注目右腕の進路を巡り、議論が湧きおこっているという。第108回全国高校野球選手権大会第14日(20日、甲子園)の準決勝第1試合で横浜は智弁和歌山に1―7と逆転負け。1998年以来28年ぶりの決勝進出とはならなかった。NPBのみならずMLBからも強い関心を向けられている先発の織田翔希(3年)に対し、チームメートたちが熱望する〝米メジャー球団名〟とは――。

 思わず涙がこぼれ落ちた。試合後、泣き崩れる仲間を抱きしめた織田は「ほんとに申し訳ないなという気持ちが大きかった」と言葉を絞り出し、自らも号泣した。

 1―0の3回に先頭の荒井から4連打を浴びて一挙4失点。一死から7番・川原に遊撃への内野安打を許したところで2番手・小林鉄(2年)と交代。3回途中56球を投げて8安打4失点で降板した。2番手左腕も相手打線の勢いを止めることができず、7回に3失点。エースの夏は終わった。

 注目の進路については「何も考えられないです」と多くを語らなかった右腕。だが周囲には日頃から「プロ志望届を出そうと思っている」と明かしていたという。

 ナインはそんな織田のメジャー行きを強く望んでいる様子だ。大谷翔平投手(32)や山本由伸投手(28)、そして佐々木朗希投手(24)が在籍するドジャースを熱望する声が多数を占めた。

 部員の一人は「大谷さんと共闘してほしい。それに、由伸さんや朗希さんもいらっしゃるので、織田の投球技術も格段と上がるのでは」とエースの将来像を思い描き目を輝かせた。

 さらに違うメジャー球団を推す声も。別のナインは「織田と同じ福岡県北九州市出身の今永(昇太)さんが所属するカブスに入って〝ダブルエース〟として活躍する姿を見てみたいですね。あとは同郷の新庄監督(日本ハム)がいたメッツもいいと思います」と〝提案〟。その上で「大会中、身を削ってあれだけの球を投げてくれたし、気持ちも人一倍強い。織田はどこに行っても活躍し続ける選手ですよ」とエースの今後を大いに期待した。

 実際、大会前からNPB全12球団のスカウトだけではなく、MLBの関係者もエース右腕に熱視線。練習中にドジャースやヤンキース、ブルージェイズ、そしてカブスなど複数球団のスカウトたちが一堂に会し、グラウンド上の一挙一動を食い入るように見つめる一幕もあった。しかし織田は全く顔色を変えることはなく、黙々と汗を流し続けていたという。村田監督は「そっち(メジャー)も日本も視野に入れながら。どうするかというのを大会が落ち着いたんでこれから相談します」と話していた。

 ナインの熱望する即メジャー入りは実現するのか。今後も右腕に要注目だ。