勝ち続けることが、野球界を壊す――。そんな異例の〝ドジャース敗退待望論〟が米国で飛び出した。米メディア「SBネーション」は5日(日本時間6日)、「ドジャースは労使平和のために負けなければならない」と題するショッキングなタイトルの記事を掲載。今季3連覇を狙う王者に対し、「野球界のためにも、今年のプレーオフで負けるべきだ。早ければ早いほどいい」とまで言い切った。

 背景にあるのは、12月1日午後11時59分(同2日午後1時59分)に期限を迎えるMLBの労使協定(CBA)だ。新協定を巡っては球団オーナー側がサラリーキャップ導入を求め、選手会側との大きな争点となっている。合意できなければ、2021~22年に続くロックアウト突入が現実味を帯びる。前回は99日間に及び、22年の開幕も1週間遅れた。

 そこで〝格好の材料〟にされかねないのがドジャースだ。同メディアは、豊富な資金力を背景にトップ選手を次々と集め、24、25年にワールドシリーズを連覇した王者が今秋も頂点に立てば、「競争の均衡は壊れている」とするオーナー側の主張を決定的に後押しすると指摘。サラリーキャップこそ唯一の解決策だという論調が強まり、労使対立を一段とこじらせるとみている。しかも今季開幕時点の総年俸はメッツを下回っていた。それでも大型補強と連覇によって、支出規制を訴える側にとって象徴的な存在となっているというわけだ。

 つまり、ドジャースが負ければロックアウトそのものを防げるという単純な話ではない。だが3連覇を許せば、オーナー側が「このままでは毎年同じチームが勝つ」と世論に訴える絶好の根拠となり「最悪の場合は、27年シーズンへの影響まで膨らみかねない」という警戒論だ。

 地区シリーズはブレーブスと1勝1敗。第3戦は6日(同7日)にアトランタで行われる。同メディアは最後に「今はみんなブレーブスのファンになるべきだ」とまで主張。王朝継続を狙うドジャースが、労使交渉の〝悪役〟にまで祭り上げられる異常事態と言えそうだ。