「1点差」という数字にだまされてはいけない。ドジャースは4日(日本時間5日)、本拠地でブレーブスとのナ・リーグ地区シリーズ第2戦に2―3で敗れ、対戦成績は1勝1敗。それでも地元有力紙「カリフォルニア・ポスト」が突きつけたのは、単なる接戦の惜敗ではなく「王朝の終焉につながるかもしれない危機」という厳しい現実だった。

 ドジャースで最大の不安は打線だ。2得点はいずれもソロ本塁打で、得点圏では8打数無安打。ブルペンデーのブレーブス投手陣に6安打に封じ込まれ、好機で1本が出なかった。スコアこそ1点差でも、内容は「あと一歩」では片づけられない。

 その象徴が大谷翔平投手(32)だ。この日は4打数1安打。最後に本塁打を放った8月18日(同19日)のロッキーズ戦からノーアーチは94打席に伸び、2022年のエンゼルス時代に記録した自己ワーストの93打席を更新した。地区シリーズでも2試合で8打数2安打、長打も打点もゼロとなっていることから、前出の「カリフォルニア・ポスト」も「本来の破壊力が影を潜めている」と断罪している。

 一方、米有力紙「ニューヨーク・タイムズ」傘下のスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」も容赦がない。大谷について「以前のような輝きを放っていない」と評し、オールスター戦以降の空振り率がナ・リーグ2位の37%に達していると指摘。ロバーツ監督も「ボールを追いかける場面が多い」と分析しており、単なる本塁打不足以上に打撃の歯車が狂っている実態が浮かぶ。

 カリフォルニア・ポストは「ドジャースの投手陣が持っていた優位性は消え、ブレーブスの消耗を当て込む見方も外れた」と厳しく指摘。初戦を取って押し切れるはずだったシリーズは、敵地アトランタへ移る前に振り出しへ戻った。第3戦は山本由伸投手(28)が先発予定だが、打線が沈黙したままでは右腕にかかる重圧も増す。

 もちろん1勝1敗で決着がついたわけではない。だが、短期決戦で投手陣が毎試合最少失点で耐え続ける保証はない。大谷の94打席ノーアーチは単なる個人の不振ではなく、得点力そのものが戻らない王者の現在地を映している。

 3連覇どころかナ・リーグ優勝決定シリーズ進出さえ危うい。王者の足元には、はっきりと「赤信号」がともり始めた。