鷹が4年前の大争奪戦を制した意義を改めてかみ締めている。ソフトバンクの近藤健介外野手(33)がパ・リーグでは8年ぶりとなる「打率3割、30本塁打、100打点」を達成した。レギュラーシーズン最終戦まで可能性を残していた「首位打者」は惜しくも逃したが、2年ぶり5度目となる「最高出塁率」のタイトルを獲得。101四球、総合的な打撃指標であるOPS(出塁率+長打率)「・999」はともに他の追随を許さず、MVP級の活躍でリーグ3連覇を果たした常勝軍団をけん引した。
近藤は2022年オフに日本ハムからFA加入。移籍1年目に26本塁打、87打点で2冠に輝いた。24年にはMVPを受賞。昨季は腰を手術して長期離脱を余儀なくされたが、今季はその悔しさを晴らすように打率3割9厘、32本塁打、108打点をマークして〝勲章〟を手にした。球団では野村克也、門田博光、小久保裕紀、松中信彦、城島健司、柳田悠岐に続く7人目。大打者の仲間入りを果たした近藤は「(シーズンが)始まった時は想像していなかった数字。長打を求めてから(達成する)30本というのはうれしかった」と胸を張った。
パ5球団による大争奪戦の末に7年総額50億円規模(推定)の大型契約で加入して4年。対価にふさわしい数字を叩き出してきたと言える。鷹の編成トップ・城島CBOは「近藤の場合は広い球場から狭い球場に来たアプローチで、無理をせず長打を打てるようにアップデートしてきたと思う。コンタクト力とか選球眼を保ちながら、打球方向だったり、打ち方のコツをつかんできた。札幌ドームでは入らなかった(逆方向の)レフトにも入るという感覚の中、球場によって本数が積み上がってきた」と進化の過程を評し、申し分ない実績をたたえた。
フロントが最も評価するもの――。それは〝教材〟としての存在価値だ。城島CBOは「僕は近藤一人だけを見ていない。このチームに与えている影響。近藤が近くにいたら正木は当然、近藤を目指そうとする。四球も取れる、ヒットも打てる、2ストライクアプローチもできる、チーム打撃も当然できる。いい手本がいれば若い選手はそこを目指す」と力説。NPB屈指の打者としての実力以上に「そういうバッターがいるというのが組織としては一番の幸せ」と、自軍だけが享受できる〝近藤効果〟を強調する。
今季40発、118打点をマークした栗原にかねて多大な影響を与え、移籍組の山本祐らが技術習得の参考にする存在。影響力、チーム強化への貢献度は計り知れない。












