今オフFA市場の目玉・近藤健介外野手(29)の新天地がソフトバンクに決まった。

 結果的に「7年45億円」ともいわれる巨額契約の前には、残留を望んだ日本ハムをはじめオリックス、西武、ロッテの4球団はお手上げ状態だった。

「優勝したい。その中のピースとしてグラウンド上に立っていたいと思っている」という希望以外、近藤のチーム選びの基準が見えてこなかった今回のFA交渉。見守る側はどこかで「近藤はカネには転ばない」というストーリーを作り上げ、条件一本勝負の〝プライスリーダー〟を現実的な移籍先と見ていなかったが、結果を見れば近藤は、優勝も狙えて条件も一番高いプロとしての決断をしたことになる。

 11月8日のFA宣言から1か月以上をかけて決断をした裏には、この交渉をリードした代理人の存在も見逃せない。

 近藤の代理人は現在、日本ハムから自由契約となっている金子千尋投手(39)の代理人も務める人物。かつて金子が16勝5敗、防御率1・98で投手2冠、そして沢村賞を受賞したオリックス時代(2014年)のFA交渉では阪神、中日、ソフトバンク、楽天との争奪戦の末、今回と同様1か月以上の時間を使い、オリックスから4年総額20億円プラス出来高の大型契約を勝ち取り残留を決めた。

 今回も与えられた時間をたっぷり使いながら、プライスリーダーであるソフトバンクと公に2度の交渉をし、近藤の価値を最大化していった。

 条件面でホークスには及ばないライバル球団はそれぞれの〝誠意〟と「将来の保証」という日本的な付帯条件で対抗したが、カネ以上にプロ野球選手の価値を図る物差しはない。

 条件勝負に打って出たソフトバンクと、プロとしての交渉に臨んだ近藤側の利害が一致したガチンコのFA交渉だった。(金額は推定)