黄金時代の再興に向けた最重要ピースが埋まった。ソフトバンクが日本ハムからFA権を行使した近藤健介外野手(29)の獲得を12日に発表した。背番号は3。常勝復活のキーマンとして〝青天井辞さず〟の大型契約でアタック。マネーゲームの末に最終的には最大7年契約で、45億円規模と見られる条件を提示して、リーグを代表する安打製造機の争奪戦を制した。すでにロッテ・オスナの獲得も大筋で合意しており、青写真通りに今オフの大型補強に成功した。

 決意の大補強に動いたソフトバンクがパ・リーグ5球団による争奪戦に勝利した。通算打率3割7厘、通算出塁率4割1分3厘を誇る近藤は補強リスト最上位の位置付け。交渉の場に藤本監督や近藤が尊敬する長谷川打撃コーチが同席するなど熱の入ったアプローチを続けてきた。

 球団のポリシーとして必要とする戦力に対価を惜しむことはない。かねて球団首脳も「あくまで需要と供給があり、市場価格は必ず合意形成される。その価格まで請求する機会が選手にあってしかるべきだと思う。頑張ってる選手にはマーケットプライスを提供すべき。それがFAのタイミングだと思う」と話すところ。

 その選手の需要の高さに応じてプレミアムが付くのは覚悟の上だ。最終的にはオリックスとのマッチレースとなった中で、条件面の上方修正を重ねて最大7年の条件を提示して最大級の誠意を示した。

 近藤は「勝利」や「優勝」への思いを人一倍強く持っているともされる。勝利のための資金面の熱量も含めて、常勝を目指し続けるチームカラーは魅力的に映ったはずだ。2014年からの7シーズンで6度の日本一に輝く「鷹1強時代」を築いたチームは、2年連続でオリックスに屈辱を味わった。来季は孫オーナーが掲げる「目指せ世界一」のスローガンのもとに、再び「V9超え」を目標とする常勝軍団の再建がテーマとなる。

 前回、2年連続で日本一を逃した2013年オフにも空前絶後の大補強を敢行。後藤球団社長の「育成のための補強でもある。補強をすることで今いる選手の成長を促さないといけない」とのメッセージ通りに、補強組が屋台骨を支えつつ、その後主力となる若手が成長して本格化していく流れができた。その後の黄金期につながった。

 すでに今オフはDeNAからFAで嶺井を獲得。今季、無双の投球を見せたロッテ・オスナも守護神候補として獲得が決定的となっている。リーグV、日本一の奪回、そして黄金時代の再興へ。藤本ホークスが意志ある大補強を成功させた。(金額は推定)