第108回全国高校野球選手権大会の第10日(14日)第3試合で横浜(神奈川)が日南学園(宮崎)を10―1で下し、3回戦へ駒を進めた。
1―1で迎えた6回無死二、三塁のピンチで投手交代が告げられ、エース・織田翔希(3年)がマウンドへ上がった。申告敬遠で満塁とし、舞台を整えてから腕を振った。大歓声の中、甲子園歴代最速となる156キロのストレートで空気を一変。三振と併殺のわずか5球で仕留め、無失点でピンチを切り抜けた。
流れのままに横浜打線が爆発。直後の7回に一気に4点を奪うと、9回にも江坂(3年)がグランドスラムを放って5得点。日南学園を突き放した。織田は「(先発の)小林が最少失点でつないでくれたので、絶対に抑えよう、一球で球場の雰囲気を変えようと思った。まだまだ先はあるので、ここで満足することなく次に向けて準備していきたい」と謙虚さをにじませた。
「本当に怪物なんだなと思いました」。村田監督も脱帽した18歳右腕は誰もが認める実力を持ちながらも、そのストイックさも〝怪物級〟だった。
右腕は学校敷地内にある寮で生活。寮の起床時間は6時30分、そして同40分頃から順次朝練が始まるという。しかし「織田さんは毎日、5時半くらいからひとりで黙々と自主練してます」と2年生部員の1人は明かす。多くの選手はまだ眠っている時間からウオーキングや体幹、ストレッチなど、練習に向けて体のコンディションを整える姿が目撃されていた。
普段から己を律している。別の選手は「『この球団に行きたい』とか、そんな話は一切しない。本人は全く動じず、自分のことをただ淡々とやってます」と証言。NPB各球団だけでなく、メジャーからも熱視線を浴びている織田のもとには日ごろから多くのスカウトが訪れるが、決して周囲の視線に心を乱されることはないという。
「チームとしては大黒柱で特別な存在ではあるけど、本人は本当に謙虚で、自分のことを特別だとは思わず、人一倍努力をしてる。本当にすごいと思う」(前出の選手)。
甲子園最速。ドラフト1位候補。メジャー注目――。華やかな言葉の裏にあるのは、誰にも負けない地道な努力。織田が見据えるのは、横浜の仲間とつかむ日本一だ。













