連覇を成し遂げても〝岡田節〟は健在や! 阪神・岡田彰布オーナー付顧問(68)が、2リーグ制後初のV2を達成した猛虎軍を総括。今季のMVPに高橋遥人投手(30)を挙げた一方、成長著しい佐藤輝明内野手(27)と森下翔太外野手(26)には愛ある苦言も飛び出した。前監督が教え子たちに求める〝プロの姿〟とは――。

「ここまでもつれるとは思ってなかったからなあ。戦力的には、もっと早く勝ててもよかったな。ほかのチームと比較して岡本(巨人→ブルージェイズ)、村上(ヤクルト→ホワイトソックス)が抜けて、最初から戦力ダウンは分かっているチームもあったし。それがここまでな、雨流れいうよりも…。もっと決まる可能性が高かったよな、早く。普通にやればな」

 充実した戦力を踏まえれば、もっと早い段階で巨人との優勝争いを決着させてもおかしくなかった――。そんな見方を示した前監督が、今季のMVPとして真っ先に名前を挙げたのはダントツの16勝(3敗)をマークした左腕だった。

「MVPは高橋やろ。佐藤も打ったけど、それはね、勝ち星っていうかな。ピッチャーの勝利はチームの勝利やからな。そっちの方が価値あると思うな」

 左肩、左ヒジ、左手首と度重なる手術を乗り越え、今季は先発陣の大黒柱として勝ち星を量産。岡田顧問は「一つ言えるのは、高橋がいなかったら大変なことになってたよな。ほんま高橋が十何個も貯金してなかったらゾッとするよな。日本でも例がないやん。そんなん3つもボルトを入れるピッチャーでな。例がない分、ほんまおってよかったとなるよなあ」と最大級の賛辞を送った。

大山悠輔(中)とともに、ビールかけで大はしゃぎの阪神・佐藤輝明(左)と森下翔太
大山悠輔(中)とともに、ビールかけで大はしゃぎの阪神・佐藤輝明(左)と森下翔太

 一方で中軸を担った森下、3冠王に君臨する佐藤については、さらなる成長を期待するからこその〝岡田節〟が飛び出した。

「いやあ、伸びた分、もうちょっと謙虚にならな。伸びたまんまにしてるな」。監督を務めた2024年には、2人を二軍に降格させたこともあった。その意図について「もう一回野球に対しての姿勢を直さなあかんというので、二軍やった」と改めて説明したが、成長を期待していたからこその措置だった。特に森下には、ドラフト1位で入団した当初から才能にほれ込んでいた。

「(ルーキーイヤーの)具志川(キャンプ)行って初めて森下のバッティング見た時『俺より全然上や』と平田に言うた」と明かし「1年目の数字は俺の方が良かったけどな」と笑った。それでも、現在のグラウンド上での立ち居振る舞いには目を光らせる。

「もしも相手が腹立てて、当てにいってたらあかんやんか。こないだ立浪も言うてたよ。上から見てたら、チェンジなっても三塁ベンチから(右翼の守備位置に)セカンドぐらいからずっと歩いていくんよ。それを立浪も見てたけどな。そういう姿勢が出てくるねん」

 また、佐藤については「技術的にはボール(球)を振らんようになったのは確か」と打撃面での進化を認めた。その上で2人に求めるのは、数字だけではない〝プロ野球選手としての姿〟だ。

「クリーンアップとか打てる数字だけの能力はあるかも分からんけど、やっぱりプロ野球選手としてな、子供とかも見てるし。ホームラン打つのを見に来るだけじゃないわけやんか」

 結果を残すだけでなく、ファンから見られる存在としてどう振る舞うのか。連覇を成し遂げた教え子たちの成長を認めながらも、岡田顧問が求める〝プロの基準〟は変わらない。頂点に立ってなお、その目は次なる成長を見据えていた。