MVP争いが熱を帯びる中、まさかの〝大谷不要論〟が飛び出した。

 米メディア「スポーティングニュース」は19日(日本時間20日)、ドジャース・大谷翔平投手(32)とカブスの「PCA」ことピート・クロウ=アームストロング外野手(24)がしのぎを削るナ・リーグMVP争いをクローズアップ。アスレチックスのマーク・ライター投手(35)の主張に真っ向から異を唱えた。

 ドジャースは直近で複数のシリーズを落とすなど苦戦した一方、ロッキーズとのカードで立て直しの兆しを見せた。そんな中でも個人タイトルを巡る最大の焦点は、大谷とPCAの争い。大谷が登板から遠ざかる状況もあり、議論は一段と熱を帯びている。

 PCAを推すライターは米スポーツ専門局「ESPN」の取材に対し、両者の守備面の違いを指摘した上で「片方は一流の守備力を持っている。もう片方は守備範囲が狭い」と主張し、暗に大谷を〝口撃〟。さらにドジャースに関し「大谷をローテーションから外しても、彼らの戦力は衰えない。ラインナップから外しても、やはり戦力は衰えないと思う」と言い切った。

大谷不要論を唱えたアスレチックスのマーク・ライター(ロイター)
大谷不要論を唱えたアスレチックスのマーク・ライター(ロイター)

 投打のスーパースターが欠けてもドジャースは揺るがない――。この大胆発言に待ったをかけたのが前出のスポーティングニュースに所属するマット・サリバン記者だ。「野球界で最高の選手の一人、いや最高の選手と言っても過言ではない」と大谷を評し、ライターの指摘を「とんでもない主張だ」とバッサリ。ドジャースの投手陣の層が厚いこと自体は認めながらも、それはあくまで万全な状態ならばの話とし、主力の不調や負傷者を抱える現状では大谷の存在感は極めて大きいと反論した。

 攻撃面についても、他の打者が本来の状態にない今、大谷のバットを失えば「大きな痛手」と指摘。一方でライターが持ち出した守備力の差には「一理ある」とし、PCAがMVP争いで肩を並べる理由として、その卓越した守備を認めている。

 もちろん、PCAのMVP資格を否定しているわけではない。大谷が現在マウンドから離れていることも踏まえれば「PCAが大谷を抑え、MVPを獲得する現実的なチャンスがある」と評価。それでも、スター軍団ゆえに大谷不在でも戦えることを理由に〝ユニコーンの価値〟を割り引くのは「理にかなっていない」と断じた。

 仮に大谷が今季まったくプレーしていなければ「ドジャースの地区首位争いは、今以上に厳しくなっていた」とも同メディアは見る。PCAの守備力か、大谷の規格外の投打か。MVP論争は、いつしか「誰が上か」だけでなく「大谷がいなくても勝てるのか」というチームそのものの戦力論にまで火がついた格好だ。