歓喜の裏で、首位を走る猛虎に先発ローテを揺るがしかねない不安材料が持ち上がった。阪神は19日のヤクルト戦(京セラ)に2―1で2夜連続のサヨナラ勝ち。2位・巨人が敗れたためゲーム差を「4」に広げ、最短20日にも優勝マジック「29」が点灯する。

 1―1の延長10回。先頭の近本が中前打で出塁し、熊谷の犠打、植田の中前打、佐藤輝への申告敬遠で一死満塁。最後は大山が左犠飛を放ち、熱戦に終止符を打った。藤川監督も「攻守で耐えながら自分の仕事をベストを尽くそうとしてくれたので、最後こちらに(流れが)向いた」とナインをたたえた。

 ただ、その試合前に気掛かりな一報が飛び込んだ。2024年ドラフト1位で2年目の伊原陵人投手(26)を巡り、一部週刊誌が暴行疑惑を報じた。取材に応じた大西邦佳広報部長は「深くおわび申し上げたい」と謝罪。球団は現在、伊原本人を含めて事実関係を確認している段階で、今後についても「慎重かつ適正に対応してまいりたい」と説明した。現時点で処分は決まっておらず、20日以降についてはチーム内で協議するという。

 問題は、仮に伊原が登板を見送ることになった場合の先発陣への影響だ。15日には才木がコンディション不良で出場選手登録を抹消され、16日には大竹も再調整で抹消。高橋は現在登録を外れており、23日のDeNA戦(横浜)での先発が見込まれている。

 代役候補には、腰の疲労骨折から約4か月ぶりの一軍登板を目指すルーカスや、高卒2年目で今季未勝利の今朝丸らがいる。だが、前回16日の広島戦(マツダ)で5回1失点と粘投し、22日のDeNA戦での先発が見込まれていた伊原まで欠くとなれば、ローテ再編の難度は一気に増す。

 2夜連続の劇勝でリーグ連覇へ弾みをつけた藤川阪神。だからこそ、V争いの佳境で持ち上がった今回の一件は、グラウンド上の勢いとは切り離せない懸案事項となる。いずれにしても事実確認と球団の判断を待つしかないが、先発陣にとって大きな分岐点となりかねない。