勝っても消えない「不安」が潜む――。阪神は9日の中日戦(京セラドーム大阪)に1―0で勝利。連敗を2で止め、巨人との同率首位をキープした。
先発の伊藤は再三のピンチを背負いながら5回無失点と粘投。6回に近本の今季1号ソロで先制し、木下→工藤→岩崎の零封リレーで逃げ切った。藤川監督は「隙を作らないように、1つずつ細かいプレーを詰めて、全体としてやってくれたのでなんとか拾えたかなというゲームになりましたね」と胸をなで下ろした。
首位争いが続く一方、進まないのが若手の台頭だ。この日、ドラフト1位ルーキーの立石正広内野手(22=創価大)が再調整のため二軍降格。代わって昇格したのは木浪聖也内野手(32)だった。
木浪はファームで直近4試合連続安打と状態を上げていたが、打率は2割3分4厘。経験豊富な戦力とはいえ、若手が結果を残してポジションを奪った末の昇格ではない。背景にあるのがファームの苦境だ。西地区では8日現在、得点280は最少、失点396は最多で、首位・ソフトバンクと21ゲーム差の最下位。正遊撃手候補の山田脩也内野手(20)も西地区ワーストの16失策を喫するなど、攻守で成長が求められている。
他球団関係者でさえ阪神二軍を「この先大丈夫なのかな…」と不安視するほどなのだ。「巨人は石井二軍監督になって練習量もかなり増えて成果も出ているし、小浜や浦田ら勢いのある若手が一軍で結果を残し始めている。ですが阪神はそれと比べて練習量も少ないように感じるし、若手がなかなか出てきていないと思いますね」と指摘する。
現在の一軍には中野、森下、佐藤ら強力野手陣と、才木、村上、高橋らリーグ屈指の投手陣がそろう。ただ、主力の故障などで穴を埋める選手が乏しいのも事実だ。
今季の優勝争いだけでなく、黄金時代を築くためにも、ファームから一軍を突き上げる若虎の台頭が待たれる。












