ダイヤモンドバックスのスター選手を巡る〝失踪疑惑〟が、思わぬ形で深まっている。ケテル・マルテ内野手(32)が遠征先のボストンで突然チームから姿を消し、左ヒザのMRI検査という新たな情報が出た後も、不可解な点は残されたままだ。

 発端は17日(日本時間18日)のレッドソックス戦だった。マルテはチームとともにアトランタからボストンへ移動していたが、フェンウェイ・パークに姿を見せず、球団は試合直前に制限リストに入れた。ダイヤモンドバックスは1―11で大敗。米メディア「ラリー・ブラウン・スポーツ」の記事によると、トーリ・ロブロ監督(61)は同日の試合後、涙をこらえながら「私は彼を愛しているし、彼のことを心配している。彼は大丈夫だ。元気だ」と語った一方、欠場の詳しい理由は明かさなかった。

 翌18日(同19日)になると、カナダのスポーツ専門局「スポーツネット」が、マルテは左ヒザのMRI検査を受けるためフェニックスへ戻る予定だと報道。マルテは14日(同15日)のブレーブス戦で左ヒザ痛を訴えて途中交代し、15日(同16日)は欠場。16日(同17日)に復帰してボストン遠征にも同行していただけに、なぜ現地ではなくフェニックスで検査を受けることになったのかという新たな謎も浮上した。

 しかもロブロ監督は18日、前日以降マルテと話しておらず、詳しい事情を把握していないと説明。マルテがフェニックスでMRI検査を受けるのは本人の選択ではないかとの見方を示した。チームメートのペルドモはマルテとメッセージを交わし、左ヒザに違和感があり検査を受けると聞いたという。

 マルテは同日夜のレッドソックスとの第2戦も欠場し、チームは4―9で敗れて3連敗。〝失踪疑惑〟は左ヒザの状態だけでは説明し切れない様相を帯びている。

 波紋を広げているのが過去の経緯だ。昨季も球宴期間中にアリゾナの自宅が空き巣被害に遭った後、母国ドミニカ共和国へ戻って3試合を欠場し、制限リスト入り。後に自身の判断について謝罪している。

 3度の球宴選出を誇るマルテは今季118試合で打率2割4分9厘、21本塁打、67打点。球団の顔とも言える存在だけに、ヒザの検査結果以上に注目されるのは、なぜ連絡が途切れ、再びチームから離れる事態となったのかだ。〝消えたスター〟を包む謎は、なお晴れていない。