ドジャースの大谷翔平投手や山本由伸投手のボールを受ける難しさ――。ダルトン・ラッシング捕手の頑張りについて、ムーキー・ベッツ内野手(33)とマックス・マンシー内野手(35)がチームメートの視点から、その舞台裏を初めて詳しく語った。

 ベッツは2日(日本時間3日)、自身のユーチューブ番組「オン・ベース・ウィズ・ムーキー・ベッツ」のゲストにマンシーを迎え、チームの雰囲気、3連覇を狙うこと、最近話題になった「大谷ラッシング一悶着」などについて、1時間以上に渡り談義。

 ベッツは「最近のラッシングの頑張りについて話したんだけど」と切り出すと、「正直、スミッティ(負傷者リスト入りしている正捕手ウィル・スミス)がこれまでどれだけチームを支えていたのか、自分は当たり前に思っていた部分があった」と告白するとこう続けた。

「ラッシュが苦労している姿を見ていると、その大変さがよく分かる。彼は本当に一生懸命やっているし、必要なのは経験なんだ。試合をこなしながら学んでいて、時間はかかるけど、確実に良くなっている」。大きな存在のスミスの役割を2年目のラッシングが引き継ぐ難しさを強調した。

 マンシーも「まず最初に言いたいのは、ラッシングは本当に素晴らしい仕事をしているということ。でも、ウィルだって最初からできたわけじゃない。彼もクレイトン・カーショーと組みながら学んできた」と切り出した。

 ドジャース一筋で長年エースとして活躍し昨季で引退したカーショーを例に挙げ、「カーショーは『これが自分の一番いい球だから』と、データでは勧められていない球種でも投げたがることがあった。時には配球データどおりにいかなくてもいい。カーショーとの経験がウィルを育てた」と回想。

「ラッシュも、特にショウ(大谷)と組む中で今まさにそれを学んでいる。ショウは『この球を、このコースに投げたい』という明確なイメージを持っている。データ上は最善ではないこともあるが、投手本人が強い確信を持っているなら、その考えを尊重しなければならない。特にショウやヤマ(山本)のような投手ならなおさらだ」。若手捕手が経験を積む重要性を説いた。

 マンシーは、山本とスミスが交わすやり取りについても紹介。「ヤマは自分でピッチコムを操作して球種を選ぶと、一度ウィルの方を見て『これでいい?』という確認をする。するとウィルは『君がそれを投げたいなら、それが一番いい球だ』と後押しする。それを見ているのが楽しい」と話すと、ベッツも大きくうなずいた。

 ベッツはさらに、6月24日(同25日)の敵地ツインズ戦で、大谷とラッシングが意思の疎通がはかれていないことが表面化し、米メディアが批判した場面にも踏み込んだ。クラブハウスに走り去っていく2人の様子を心配そうに伺うベッツとマンシーのベンチでの様子も中継に映っていた。ベッツは「ただの野次馬だった。何が話されるのか見たかっただけ」と笑いながら回顧。「あれは2人にとって成長するための時間だった。ショウはいつもウィルと組めるわけじゃないし、ラッシュも経験を積まなければならない」とマンシー。

 ベッツは「一番良かったのは、その後ラッシュが自分の責任を認めたこと。彼自身、自分が大きな役割を担っていることを理解している」と評価し、マンシーも「誰も最初からああいう状況への対処法なんて知らない。みんな経験して学び、成長してきた。今ラッシュもその途中なんだ」と指摘した。

 ベテラン2人は、球界屈指の先発投手陣とコンビを組む重責を背負う若手捕手へ、温かいエールを送った。