開幕一軍メンバーの絞り込みに没頭中の広島・新井貴浩監督(48)が、ブレークを目指す若鯉に「NGワード」を設定した。

 12日まで敵地・横浜スタジアムで行われたDeNAとのオープン戦では、室内での若手野手との打撃練習にも足を運んだ。その様子を凝視した後「若手の状態はどう見えるか」との質問を向けられ、指揮官はおもむろに口を開いた。

「状態? 彼らは一軍で2年、3年とやってきたレギュラーじゃないからね。調子が『いい』とか『悪い』とか、そんなことを口にしていい選手ではないですよ」とピシャリ。さらに「実は私も若いころ自分が打てないのを調子のせいにして、大変な目に遭いました。あれはプロ2年目…」と〝告白〟を開始し、次のようにも続けた。

「私も同じように結果が出ない時期がありまして。で、金本さんから『どうしたんや、浮かない顔して』と言われたので『いやあ、どうも調子が悪くて…』と返したら、烈火のごとく怒られたことがあります」

 当時、赤ヘルの主力選手で現役時代から「師」と慕う金本知憲氏(56=野球評論家)から「オマエみたいな選手が、何を調子うんぬんぬかしとるんじゃ! 『調子』のせいにするな! 打てないのを『調子』にするぐらいなら、何でもっと練習しようと思わんのじゃ!」と厳しく叱責されたという。もちろん、それ以来、自らの結果に対し、状態うんぬんのフレーズを封印するように改めたと指揮官は明かす。

 昨季以降、若手の練習量は増加したが、開幕2週間前の現時点では、その成果をオープン戦の数字で表す若手はとぼしいのが現状だ。

「ならば、まだ足りない。四の五の言わず、バットを振り続け、練習を続けなさい」というのが、鯉将の言わんとするところなのだろう。

 長丁場のシーズンで調子の浮き沈みはあって、当たり前。自らの現役時の歩みを踏まえ、それを言い訳にしない主力選手育成する。命題に掲げる「次代の中心選手育成」へ向け、今季の新井監督は若鯉に年間を通じて〝一軍を生き抜く厳しさ〟を伝えていく。