ドジャース・大谷翔平投手(31)の〝真髄〟が後輩に受け継がれている。日本ハムの5年目右腕・北山亘基投手(27)は先発した17日の西武戦(エスコン)で勝利投手にこそなれなかったが、今季7試合の登板で3勝2敗、防御率1・93の好成績。今春のWBCでは大谷からむちゃぶりされた「お茶たてポーズ」を発案したことでも話題になったが、間近で接したからこそ得られた財産もあった。

「教授」の愛称で親しまれる北山は4月まで1勝2敗と黒星を先行させたが、今月に入って徐々にエンジンがかかってきた。3日のオリックス戦(エスコン)で今季初完封勝利を飾ると、10日の同戦(京セラ)でも8回無失点。この日は勝利投手の権利を持って降板した後に救援陣が打ち込まれ、4勝目はお預けとなったが、本来の実力を発揮し始めている。

 その要因について、本人は「体の状態が上がっていますし、オフからやっている取り組みも含めてレベルアップが実感できている。その両面ですね」と語るが、大谷の影響も少なからずある。

 北山は初出場したWBCで大谷と共闘。大会を通じて世界トップの二刀流戦士からさまざまなことを学んでいた。中でも北山が「自分の野球人生にも役立てたい」と感銘を受け、実践しているのが大谷の常人離れした〝自己探求〟だという。

「普通、野球をやっていると目の前でいろんなことが起こるじゃないですか。その現象に選手って少なからず影響されたり、目を向けてしまう。でも、大谷さんはそういう現象に一切惑わされることなく、どんな時でも自分自身のことを見つめているんです。ブレない感性というか自分の中で起きた変化、感性を常に感じている」

 野球選手でなくても、誰でも外的要因に左右されがちだ。しかし、大谷の場合はいい意味でまるで周囲に流されず、感性を信じて自分のことだけに集中しているという。しかも、大谷の場合はプロの世界に身を置く北山でも桁違いだと映っている。

「試合中だけでなく普段の歩き方からバット、ボールの握り方、ベンチでの過ごし方などすべてです。だから自分の中で起きるちょっとの変化、違いをすぐに察知できる。自分を見つめ続けているからこそ異変に気づいてすぐに修正できる。そこが本当にすごいな、と」

 簡単なことではないが、北山は「大谷さんを見ていると僕はまだまだだな、って思います。でも、そこを突き詰めていこうと思っています。そうすれば、僕も大谷さんみたいに誰も追いつけなくなる選手になれるかもしれないので」と迷いはない。

 偉大な先輩と身近に接したからこそ得られた財産。好投が増えた裏では大谷の〝教え〟も生かされている。