ロイヤルズのボビー・ウィット内野手(25)が16日(日本時間17日)のカージナルス戦で頭脳プレーを炸裂させ、称賛の声が上がっている。

 場面は1―3の2点ビハインドで迎えた8回一死一、二塁の守備。まずはバールソンに浴びた適時左前打で二塁走者には生還を許した。しかし、ここからの素早い状況判断でさらなる失点を食い止めた。左翼から直接バックホームされた間に相手の一塁走者・ヘレラは、二塁を蹴って三塁を狙った。左翼からの返球を受けた捕手のディアスは三塁に送球し、ベースカバーにウィットが遊撃から入った。

 ただ、捕手からの送球は遊撃側にそれ、ジャンプして捕ろうとしたウィットのグラブも通過。ボールは左翼に転がっていったが、ウィットは捕球したと見せかけ、三塁ベースに滑り込んだヘレラに何も入っていないグラブを押し当て続けた。

 走者のヘレラはスライディングした瞬間で送球の行方が見えておらず、状況を読み込めないまま三塁ベースに座り込んだまま。三塁コーチが「行け、行け」と必死に呼びかけ、生還していた走者もホームベース付近で跳びはねながら呼び込んだが、事態を把握した時には後の祭りだった。

 日本球界では、かつて巨人で「くせ者」と呼ばれた元木大介氏(54)がボールを持たないふりをしながら走者をアウトにする「隠し球」で有名だったが、今回のケースは逆パターン。〝空タッチ〟を続け、走者を塁上にクギ付けにさせる好判断となった。

 このシーンを米メディア「ラリー・ブラウン・スポーツ」は「IQ1000級の驚異的なプレー」と大絶賛。結果的にチームが2―4で敗れたため「大した意味はなかった」としながらも「オールスターに2度選出されたウィットは、ショートでの驚異的な守備範囲、機転が利いたプレーであれ、常に守備の達人だ」とたたえている。