俺みたいになるな――。広島のドラフト1位・佐々木泰内野手(22=青学大)が、一軍デビュー2戦目となった2日の楽天戦(倉敷)で、オープン戦初安打を含むマルチ安打を記録。「どんどん打って、守備でも全部のところでアピールできれば」と表情を崩した。

 将来は不動の中軸打者を期待される佐々木は、背番号10。カープでは鉄人・金本知憲氏がつけた番号で、日本選手では2009年に佐々木と同じ東都リーグの亜大から1位入団した岩本貴裕氏以来だ。

 その岩本氏は現在、スコアラーとしてチームを支えている。過去の自分と同じ境遇にいる佐々木に対し、自身の体験から「新人の春の心得」として金言を送った。

 それは「常に聞く耳を持って、過ごしてほしい」というもの。岩本氏も当時、強打のドラ1として開幕一軍を期待されたが、3月に入って状況が一変したという。

背番号10の先輩・岩本貴裕スコアラー
背番号10の先輩・岩本貴裕スコアラー

「キャンプから一軍で、練習でも試合でも何となく…のレベルでできてしまっていた。特に先輩方から何かを聞いたり、吸収しようという考えを持つことなくやっていた。でも、3月になると、一軍で何年もやった選手ほどプレーがガラリと変わった。そこに自分はついていけなかった。相手投手の球質や配球も、キャンプとは全く違いました。その時初めて『今のままでは無理』という気づきがあった」

 開幕一軍も逃した岩本氏が初めて一軍で出場できたのは、5月下旬だった。そんなこともあり「一軍で先輩たちが、どんな考えでプレーしているか。息の長い選手になるという意味でも、結果的に自分のためにもなる。自分からどんどん聞きに行って、プロとしての考え方の勉強を続けてほしい」とエールを送った。

 開幕まで1か月を切り、佐々木にとってはここからが正念場。元背番号10は自身がぶち当たった〝プロの壁〟を、後輩が乗り越えていくことを期待している。