苦しい敗戦の中で、ホークスの新しい扉も同時に開いた。ソフトバンクは13日の西武戦(みずほペイペイ)に1―2で惜敗した。藤原大翔投手(20)がプロ初登板初先発で4回2失点と奮闘したものの、打線は相手先発・高橋の前に散発3安打。今季4度目の対戦でも攻略できず32イニングで2得点に封じ込まれている〝天敵〟右腕に、小久保裕紀監督(54)も「現時点では正直力負け」とお手上げの表情だった。
その一方で、もう一人の〝デビュー〟にも注目が集まった。DeNAからトレードで加入した山本祐大捕手(27)だ。前日12日に電撃トレードが発表され、この日に福岡で入団会見。一軍に合流すると、そのまま「6番・捕手」でスタメンマスクをかぶった。まさに目まぐるしい一日を終え、試合後は「疲れましたね」と率直な心境を口にした。
シーズン中に正捕手格が移籍するケースは異例だ。しかも新天地で即座に一軍戦力としての役割を求められるとなれば、覚えるべきことは山ほどある。他球団のデータ、サイン、リーグ間の違い――。数あるタスクの中で、山本祐が最優先で取り組むべきものは何か。それは「自軍の投手を知ること」だ。
「第一はピッチャーなので。練習方法やどういう意識でやっているのかを把握していかなきゃいけない」と語ったのは細川亨バッテリーコーチ(46)。FA移籍などで計4球団を渡り歩いた経験を持つ同コーチは、自身がホークスへ移籍した際を振り返り「(移籍初年度の春季キャンプは)ほとんどバッティングしてない。ずっとブルペンばかりいたので」と明かした。球を受けるだけではない。しぐさや性格をつかむことも、投手理解につながる。捕手にとって、コミュニケーションこそ最初の仕事になる。
山本祐も入団会見で「密にコミュニケーションを取っていきたい」と意気込んでいた。この日は、いきなり計6投手とバッテリーを組んだ。小久保監督は1点ビハインドでも勝ちパターンの投手をつぎ込んだ理由について「山本が(マスクを)かぶっているというのもあった」と説明。まず求められるのは、自軍を知ること。ハマの正捕手格は、一刻も早く鷹の投手陣を掌握できるか。












