巨人は13日の広島戦(福井)で延長12回の末、4―2で劇的逆転サヨナラ勝利を収めた。1点を追う12回裏、坂本勇人内野手(37)のNPB通算300号となる逆転3ランが長い戦いに終止符を打った。

 巨人は5回にキャベッジの6号ソロで先制。先発・則本は7回無失点の好投で勝利投手の権利を得たが8回に大勢が同点ソロを浴び、試合は延長戦に突入した。

 試合が動いたのは、開始から5時間経過しようとした12回だった。巨人は広島に1点を勝ち越される苦しい展開。それでも12回裏一死一、二塁のチャンスをつくると途中出場で第2打席に立った坂本が相手6番手・遠藤の初球をフルスイング。打球が左翼スタンドへ着弾すると、恐竜の鳴き声のような轟音が夜空にこだました。

 阿部慎之助監督(47)は「いやあもう、興奮して僕も選手のように前に出てしまいました。打ってくれと願いながらね、戦況を見てましたけど。いやもう、素晴らしいの一言。300号という節目の本塁打だったので、やっぱり〝持っている〟なと思いました」と愛弟子に賛辞の言葉を惜しまなかった。

 一方で指揮官はその37歳ベテランの後ろ姿から若手への教訓も見いだした。まず坂本のすごみについて「ファーストストライク、得点圏のね、(バットを)振れたっていうのがね、すごいことだと思う」とした上で、「他のバッターを見てみて、チームとしても言ってることなんだけども勇気がない。メンタルで負けてる選手もいる」と指摘した。

「そこはみんなのテーマとしてやってる。追い込まれたら、追い込まれて、〝ことが起きない〟ってことが多い。前に飛ばない、ことが起きなかったら何も起きないから。それで打てる打てないあると思うんですけど、そこは割り切って、そこを行ける勇気を持つことが一番大事だと思うから」と苦境に立たされても気持ちでは決して負けてはならないことの重要性を説き、「そういうことも日々勉強。ベテランはベテランでいいところもあるし、若い選手は若い選手で、素晴らしいところもあるんで、お互いがこう勉強し合うってこと。これからチームが上昇するにあたって、これが一番大事じゃないかなと感じた試合でしたね」としみじみ語った。