ヤクルトの池山隆寛監督(60)が12日の阪神戦(神宮)で、10点ビハインドとなった9回一死から一塁を守っていたホセ・オスナ内野手(33)をマウンドに送り、球場内をザワつかせた。

 パイレーツ時代に登板経験があったオスナは佐藤に四球を与えたものの、続く代打・小野寺を二ゴロ併殺に打ち取ってイニングを完了。最速141キロを計測し、一方的な展開で敗れながらも球場に残っていた燕党はレアシーンを目撃できる機会にもなった。

 シーズン162試合のMLBでは救援投手を温存するため、大敗の展開で野手が登板することもある。リードしている側も「9回限定」「10点差以上」であれば可能となる。しかし、日本球界では本職ではない野手が打者と対戦することは「相手に失礼」などの理由から〝タブー〟とされてきた。

 記憶に新しいのは巨人の原辰徳前監督(67)だ。2020年8月6日の阪神戦(甲子園)で11点差をつけられ、8回一死から内野手の増田大を登板させて賛否を呼んだ。当時は新型コロナ禍の連戦続きで登板した救援陣も不調。その後のシーズンを見据えた「一つの作戦」と説明し、メジャー経験があるOBらが支持した半面、日本球界のOBたちからは厳しい批判にさらされた。

 これに対し、現場の最高責任者として「優勝」の使命を背負っていた原前監督は「勝つために、目標のために戦っている。ジャイアンツの野球ではやってはいけねえんだとか、そんな小さなことじゃないんだよ」と反発。「簡単に『ダメだ』と言うのは本末転倒のような気がする」と思いをぶちまけていた。

 時は流れ、野手登板は今月1日のヤクルト―DeNA戦(神宮)でも実現した。11点差をつけられたDeNAの相川亮二監督(49)が8回二死一、三塁から内野手の柴田を登板させた。ファンはやはり盛り上がりを見せたが、〝禁じ手〟とされた野手登板は常態化していくのか――。