日本ハムは12日のロッテ戦(ZOZOマリン)に3―2で競り勝ち、今季2度目の3連勝を飾った。3、4月は計29試合で13勝16敗と負け越したが、5月は10試合で6勝4敗。一時「4」まで膨らんだ借金は「1」まで縮まり、4位ながら上位追撃の足場を整えつつある。

 復調の要因は、先発投手陣の粘りだけではない。大きいのは野手陣の「固定化」だ。新庄剛志監督(54)は開幕から約1か月を競争期間と位置づけ、相手投手との相性や状態を見ながら打順、守備位置を頻繁に動かしてきた。

 だが、5月に入ると方針を転換。6日の楽天戦からは、ロドルフォ・カストロ内野手(27)、郡司裕也捕手(28)、清宮幸太郎内野手(26)、フランミル・レイエス外野手(30)、野村佑希内野手(25)、矢沢宏太投手(25)、万波中正外野手(26)らを軸に、同じ顔ぶれで打線の骨格を組み始めた。

 役割が明確になれば、打者の準備も変わる。打順の中で自分が何を求められているのかが見えれば、迷いは減る。ここ数試合の打線に出始めたリズムは、その副産物とも言える。

 ただ、指揮官は固定だけで満足していない。次に見据えるのが「Wクリーンアップ構想」だ。新庄監督は4月中旬から「打線の中に2つクリーンアップがあった方がいい」と語り、「1番から4番までのクリーンアップと、5番から7番までのもう一つのクリーンアップを作りたい。6番あたりに一番調子のいい選手を入れると厚みが出る。6番には4番のような役割をしてもらう」と理想を明かしていた。

 実際、6日からの4試合はカストロ、郡司、清宮、レイエス、野村、矢沢、万波の並びで「2つの中軸」を形成。12日は郡司と矢沢の打順を入れ替え、別パターンを試した。3―2の薄氷勝利が示す通り、課題はなお得点力。だからこそ上位と下位の境目をなくす打線再設計がハマれば、浮上の角度は一気に変わる。

 試合後、指揮官は「いろいろ失敗もあり、失敗もあり、失敗もあり。結果、血管がパチンときそうになったけど、まあ良かった、勝って」と安どの笑みを浮かべた。打順変更については「矢沢君の調子が上がってきたし、郡司君の調子が上がらないから。一回ちょっと打順を下げてみようと思ってね」と説明した。

 借金完済の先にある逆襲へ、新庄監督の試行錯誤が熱を帯びてきた。