日本ハムがシーズン開幕から1か月以上がたった今も予想外の苦戦を強いられている。
30日の西武戦(ベルーナ)こそ延長戦の末に3―2で辛勝したが、チーム成績は29試合を終えて13勝16敗でパ・リーグ最下位。シーズン前の下馬評が高かった分、この順位は誰も予想できなかったはずだ。
成績不振の一因には12球団最多の失策数(27失策)が挙げられるが、日本ハムの守備は以前から鉄壁とは言い難い。実は昨季も4月終了時点で19失策。今季は昨季に比べて多いとはいえ、ここまでの低迷を裏づけるまでの材料とは言い切れない。では、何が予想外の停滞に追い込んでいるのか。
他球団のスコアラーに聞くと「ひと言で言えば、今年のファイターズには昨季までの怖さを感じない。これが大きいのでは」とこう続けた。
「戦略的なことは言えませんが、昨季までの日本ハムは投打ともに粘りや〝いやらしさ〟があった。投手陣が踏ん張り1点を守り抜き、采配面も奇抜で何をしてくるか分からない怖さがありましたから。でも、今季はそういったものが感じられない。特に攻撃陣は一発頼みなのか、昨季より打線のつながりが欠けている気がします。こうなると守る側はやりやすい。一発や長打を警戒すればいいだけですから。この心理的優位は大きい。おそらく他球団も同じ感覚で戦っているはずです」
確かに、今季の日本ハムは開幕直後から〝最恐打線〟を形成。どこからでも長打が飛び出す破壊力で本塁打を量産した。おかげで本塁打数はここまで両リーグ最多の35本。得点も同じく最多の121点をマークしている。だが、直近10試合を見れば本塁打数はわずかに3本で得点も計26点。明らかに対戦相手が日本ハムの戦い方に対処し始めている。そこに12球団ワーストのチーム防御率3・86の投手陣とくれば、黒星が先行するのも無理はない。
それでも今後に目を向ければ前向きな見方もある。新庄剛志監督(54)が5月からの方針転換を明言しているからだ。指揮官は開幕から4月末までの約1か月間を「選手を見極める期間」に設定。意図的にさまざまな策や選手起用を試した。だが、今後は先発を中心とした投手陣の再編に加え、開幕から4番に固定していた郡司の打順変更も示唆している。状態が良い選手を中心とした布陣を敷けば結果は出しやすい。この流れで投打がかみ合えば、戦力は充実しているだけに急浮上も夢ではない。
この日の試合後、新庄監督も「2年前、(リーグ)2位になった時(4月末で)14勝。去年も14勝で今日で13(勝)。1個足りなかったね(笑い)。まあでも交流戦前までの1か月、それまで貯金を1つでも多く取って」と言い切った。
黄金週間からの5月反攻はなるのか。不安と期待が混在する新たな戦いが始まる。












