NPBの球界改革がドラフト戦略にも影響を及ぼしそうだ。打者では長打力やミート力などにフォーカスされてきたが、今後は〝走れる選手〟にも門戸が開かれる公算が高まっている。
プロ野球選手会とNPBは来季からサイン伝達電子機器「ピッチコム」を導入する方向性を確認。将来的には投球間隔に時間制限を設ける「ピッチクロック」、ボールとストライクの自動判定システム「ABS」といった国際標準を取り入れるかどうかについても議論が進められる。
MLBではすでに導入されているが、2023年からけん制の回数も制限されたことで、各球団の盗塁数は激増。こうした球界全体のトレンドやWBCなどの国際大会での実体験を踏まえ、日本球界にも流れ込むことは十分考えられる。
14日まで行われた第75回全日本大学野球選手権記念大会を視察したパ・リーグ球団のスカウトは、瞬発力を武器とする選手を念頭に「2、3年後の球界の流れを考えれば、チームとしての需要は高い」と打ち明けた。
ルール変更前ながら脚力を武器に頭角を現した選手もいる。広島・辰見鴻之介内野手(25)はセ3位の15盗塁を記録(15日時点)。2022年の育成ドラフト1位で入団した楽天では、在籍した3年間で一軍出場は2試合にとどまったが、昨年の現役ドラフトでの移籍でカープの戦力として一軍に定着しつつある。
「基本、そういう選手の守備範囲は狭くないし、守備における弱点も少ない。二遊間や中堅を守れる選手は走攻守の三拍子がある選手が多いけど、最近はこれまでより『走』のウエートが見直されている」(在京球団スカウト)
実際、大学選手権でスカウトたちは近い将来を見越したかのように、中京大の鈴木湧陽(3年)や東北福祉大の多田羅浩大(3年)、慶大・丸田湊斗(3年)ら学年にかかわらず、実力校の1番打者の走塁タイムを入念に計測していた。
セでは来季からDH制が導入され「打力」がクローズアップされる1年となるが、〝スピードスター〟の可能性を広げる機運も高まっている。












