〝ネクスト・サトテル〟の存在が日米のプロスカウトの視線をクギ付けにしている。

 東京六大学の春季リーグは慶大の5季ぶり41回目の優勝で幕を閉じたが、ネット裏のプロスカウトたちから「2年後のドラフト1位に名前が挙がることは間違いない」と高評価を得ていたのが法大・井上和輝捕手(2年)だ。184センチ、93キロの堂々たる体格を誇る左のスラッガーで名門大学にあって1年春から頭角を現し、秋には正捕手の座も射止めた。今春の東京六大学リーグでは非凡な打撃を生かすべく、指名打者での起用が中心となり、12試合で56打席に立ち、3本塁打、14打点。昨秋に続き、打率3割台となる3割1分8厘をマークした。

 昨年12月には1年生ながら大学の日本代表合宿にも招集されるなど、すでに将来を嘱望されている。そうした中でもスカウトの多くが「ここ5、6年の大学生ではナンバーワン」と断言し「逆方向の本塁打を含め、広角に長打を打てる打者は右でも左でもそうはいない。ドラフトでも上位に入る」と太鼓判を押した。

 さらに、プロの打者をも上回る怪物ぶりが打球スピードだという。捉えた打球の質はMLBでもトップクラスで、1年秋のリーグ戦では打球速度180キロを超える弾丸ライナーも計測。2年生にして大学球界で頭一つ抜けた存在となっている。

 昨季のセ・リーグ2冠王に輝いた阪神・佐藤輝明内野手(27)とダブらせるスカウトもおり「次の佐藤輝明は井上和輝。佐藤の大学時代よりもスイングスピードは速いし、打撃技術も上」との声も上がった。

 今後も井上のマークを続けるというが、MLB球団も同様だ。東海岸のスカウトの一人は「大学から即メジャーを選択しても獲得へ手を挙げるチームは出る」と断言。さらに「語学力などトータルの適性はまだ分からないが、打撃は即メジャーでも(適応するまでに)そんなに時間はかからないと思う。打席数が少ないので一概には言えないが、現時点でも打球スピードの平均はNPBの上位」と目を見張る。

 くしくも、日米スカウトの見解は〝サトテル級〟のパワーヒッターで一致した。大物の予感が漂う井上の大学シーズンはあと2年。国内外のスカウトたちは首を長くしながら成長を見守っていく。