米スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(21)が、MLBドラフトで8巡目指名を受けたマーリンズへの入団の意志を固めたことが15日、分かった。昨秋のドラフト会議で1位指名を受けたソフトバンクへの入団、さらには大学残留の選択肢がある中で「パイオニアの道」を選んだ。選択肢が出そろってから決断までわずか2日――。日本生まれの有望スラッガーが、マーリンズが描いた「勝算」通りに決断を下した。
鷹のラブコールに感謝しつつ、初志貫徹でマイナーからはい上がる覚悟を決めた形だ。現地12日(日本時間13日)に米フィラデルフィアで開催されたMLBドラフトで、佐々木は8巡目、全体235位でマーリンズから名前を呼ばれた。上位指名は「高校生」「投手」「内野手」「走攻守のそろった5ツールプレーヤー」などの有望株がほとんど。打撃に特化したタイプの佐々木の指名順位は、当初から「7巡目以降」が相場だった。そんな中、マーリンズが同タイプでは全体4番目となる評価で8巡目指名。「下位指名ならソフトバンク優勢」との見方も広がる中で、入団拒否の可能性もある佐々木にアタックした。
指名から2日での早期決着。マーリンズの「勝算通り」と言えるかもしれない。かねてMLB30球団の中でも、若い選手をじっくり時間をかけて育成する球団として知られる。かつて現役時代のイチロー氏(52=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)がプレーした時期には、クリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)、マルセル・オズナ(パイレーツ)が在籍。当時「メジャー屈指の若手外野手3人衆」と名をはせ、それぞれが球界を代表するスターへと飛躍した。育成に定評がある一方で勝利への執着が薄いため新陳代謝が激しく、ゆえに有望株がメジャーで場数を踏むチャンスが他球団よりも多い。ロマンあふれる選手が芽を出しやすいチームだ。
初志貫徹にして、最も自然な決断と言える。花巻東時代に歴代最多の高校通算140本塁打を放ち、プロ志望届を出さずに名門スタンフォード大へ留学。高卒時点でNPBのドラ1候補だった有望株がたどる〝新たなルート〟は大きな注目を集め、NPBを経由しない〝その先〟の結末に多くの野球ファンが夢を見る存在となっていた。それだけに「パイオニア」としての自覚、責任を全うする決断と言っても過言ではない。
熱烈なラブコールを受けたソフトバンクからは背番号「1」の提示を受け、自身のデータが網羅された分厚い資料を基に、育成法や踏み込んだ起用法について丁寧な説明を受けた。福岡の球団施設を自分の目で確かめ、鷹の誠意に感銘。悩み抜いた末の決断だったに違いない。
佐々木のゴールはMLBでチームの核となり、タイトル争いを演じるような選手。どのルートが最適だったのか…。答え合わせが始まる。












