勝利の歓喜を吹き飛ばすほど、痛すぎるアクシデントだった。日本ハムは15日のソフトバンク戦(エスコン)で、9回に3点を奪われながらも7―6で逃げ切った。首位を走る相手から今季2勝目を挙げた一方、田宮裕涼捕手(26)が左手中指付近を負傷。チームに激震が走った。

「9番・捕手」で先発した田宮は5―3の5回一死一、二塁でバントを試みた際、ヘルナンデスの151キロ直球が、バットを握っていた左手中指付近を直撃した。苦悶の表情を浮かべてベンチへ戻り、そのまま途中交代。試合中に札幌市内の病院へ向かい、精密検査を受けた。

 試合後、新庄剛志監督(54)は「(指が)折れてるかもしれないから」と神妙な面持ち。「あんな速いボールとバットで挟まれたら、指の骨はすぐ骨折するんで。内出血はものすごくしてたから」と、正捕手の状態を案じた。診断結果は16日に判明する。

 田宮は今季、この日を含め67試合に出場し、打率2割8分5厘、3本塁打、15打点。今月末の「マイナビオールスターゲーム2026」にもファン投票で選出された。攻守で存在感を放つ「打てて守れる捕手」が長期離脱となれば、戦力低下は計り知れない。

 日本ハムは昨オフ、正捕手候補の一人だった伏見を阪神へトレード。この時点から球団OBや他球団スコアラーの間では「田宮に何かあれば厳しい」と懸念する声が上がっていた。

 新庄監督もそのリスクは把握していた。だからこそ今季は、プロ3年目で成長著しい進藤勇也捕手(24)を4月末から併用。田宮の負担を軽減しながら、万一に備えてきた。それでも正捕手が戦列を離れれば、首位追撃を狙う後半戦への打撃は避けられない。

 二軍にはプロ12年目の清水、同7年目の梅林が控える。ただ、田宮と同等の働きを期待できるかは未知数だ。捕手登録の郡司とマルティネスも、現状は野手としての起用が中心。当面は進藤を軸に乗り切るしかない。

 薄氷の1点差勝利の裏で突きつけられた、正捕手不在の危機。日本ハムの真価が問われる試練となる。