日本プロ野球に新たなルールを導入するかどうかが議論される中、アマチュア界ではひと足早く国際ルールが取り入れられている。

 大学の国際大会「ワールド・カレッジ・ベースボール・チャンピオンシップ(WCBC)」は11~15日まで台湾で開催され、日本代表のほか米国、韓国の4チームが参加。総当たりのリーグ戦後にトーナメント形式の決勝ラウンドが行われ、第1回大会の勝者を決定する。

 同大会に先駆けて全日本大学野球連盟では、今春から試合のスピードアップを目的に、独自の「ピッチクロック」を導入。投手は無走者時は「12秒以内」、有走者であれば「20秒以内」に投球動作に入らなければ「1ボール」のペナルティーを与えられる。大学代表には春季リーグで新ルールに対応し、実力を発揮した選手が選抜され、本大会では取り組みの成果も見られることになりそうだ。

 日本のトップチームが参戦した今年3月のWBCでは「無走者時=15秒以内」「有走者時=18秒以内」のピッチクロックに不慣れなNPB勢が対応に苦慮。準々決勝で敗退した一因にも挙げられ、MLBで順応している大谷(ドジャース)から「世界で勝ちたいのであれば導入すべき」との〝提言〟もなされた。

 日本でプロとアマチュア球界の双方を視察するMLBスカウトは、こう訴えかけた。

「やはりルールで縛って試合を重ねていけば、大学生だって慣れるわけだから。プロが適応できないわけがない。NPBでも(無走者時)15秒以内の暗黙の決まりがあるみたいだけど、違反してもペナルティーがあるわけじゃないから(NPBの)試合を見ていてもかなりいい加減。NPBの人たちこそ、この大会を見るべき」

 今大会でも世界野球ソフトボール連盟(WBSC)ルールが採用され、独自の投球制限が適用される見込みだ。参加する4チームのプロでピッチクロックを導入していないのは日本だけ。決められたルールの中に身を置けば、おのずと体が慣れていくというのがスカウトの見立てだが…。

 大会が終了する頃には、プロよりも大学生の方がはるかに世界標準に近づいていることを立証するかもしれない。