主砲不在でも耐えていた名門が、ついに土俵際へ追い込まれた。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は6日(日本時間同日)、低迷するヤンキースの今夏の補強策を特集し、タイガースのタリク・スクバル投手(29)の獲得こそが最大の打開策になると指摘した。
チームはアーロン・ジャッジ外野手(34)を肋骨の疲労骨折で欠きながら、一時はア・リーグ東地区首位を走っていた。だが、19日(同20日)時点の46勝28敗から急失速し、5日現在は49勝40敗で2位。同地区首位のレイズを4ゲーム差で追う立場に変わった。しかも直近10試合は1勝9敗。ツインズに本拠地でシリーズ負けを喫し、空気は一気に重くなっている。6日(同7日)からは敵地でレイズとの直接対決が始まり、これ以上の後退は致命傷になりかねない。
同メディアは、トレード期限後の米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)で首位と2ゲーム差以内に踏みとどまっていれば「勝利」と評したが、現実は甘くない。打線はジャッジ不在の穴を埋め切れず、ここ17試合の平均得点も3点を割り込む深刻さ。ロドン、フリードら先発陣にも故障者が相次ぎ、守備の乱れも目立つ。ブーン監督のやりくりだけで反転攻勢に持ち込むには、限界が見え始めている。
そこで浮上するのが、2年連続サイ・ヤング賞左腕スクバルだ。今季は左ヒジ手術明けながら4勝4敗、防御率3・15、WHIP0・91、75奪三振、8四球。6月30日(同7月1日)のヤンキース戦でも6回1安打2失点、9奪三振、無四球と格の違いを見せつけた。ON SIは「彼が獲得可能なら、ヤンキースはあらゆる手段を講じるべきだ」と断言。本命とされていたドジャースが本気度を示していないことで、獲得レースの最有力候補になり得るとも見ている。
代償は当然、重い。若手有望株の大量流出も避けられない。それでも今のヤンキースに必要なのは小手先の補強ではなく、クラブハウス全体の温度を変える一撃だ。スクバルが加われば、先発ローテーションの序列は一変し、ポストシーズン進出争いだけでなく、地区逆転優勝への現実味も一気に戻る。
崖っぷちの名門に残された道は一つ。迷う時間があるなら、全力で左腕エースを獲りに行くしかない。












