金満ドジャースをのみ込む〝完全補強〟が、フロリダで動き出すのか――。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は30日(日本時間同日)、8月3日(同4日)のトレード期限を前に、ア・リーグ東地区首位を走るレイズが世界一へ駆け上がるための「3つのポイント」を特集した。63勝44敗でア・リーグ最高勝率を誇る現有戦力に理想の補強が重なれば、ワールドシリーズ3連覇を狙うドジャースさえ凌駕し、一気に最有力候補へ浮上するとの青写真だ。

 最大の目玉は、レイズも水面下で模索中とみられているタイガースのタリク・スクバル投手(29)の獲得だ。2年連続でア・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた左腕は、争奪戦必至の今夏最大級の切り札。29日のオリオールズ戦では通算1000奪三振に到達し、その価値を改めて示した。レイズがこの絶対的エースをローテーションの軸に据えれば、自軍の戦力を跳ね上げるだけでなく、10月に立ちはだかる可能性があるライバルから最大の武器を奪うことにもなる。

 第2のポイントは、ジャイアンツのルイス・アラエス内野手(29)の加入だ。1年契約で迎えた今季は復活を遂げて球宴にも選出された巧打者。打線上位に置けば、カミネロ、ディアス、アランダへ好機をつなぐ最高の起点となる。守備面でも改善を見せており、堅守を重視するレイズの野球を損なわず、得点力だけを上積みできる理想的な補強候補とされた。

 残る課題はブルペンだ。プレーオフ圏外に沈むメッツは売り手に回る可能性が高く、同誌はブルックス・レイリー投手(38)、フアスカー・ブラゾバン投手(36)、ルーク・ウィーバー投手(32)を候補に挙げた。左腕のレイリー、オープナーから複数回までこなせるブラゾバン、抑えの経験を持つウィーバーと、いずれも短期決戦で使い勝手のいい駒だ。なかでも複数年保有できるウィーバーは対価こそ重くなるが、10月を勝ち抜く上で大きな保険になる。

 もちろん、スクバルを巡ってはドジャースやブルワーズなど強豪も参戦するとみられており、3つすべての完遂は容易ではない。それでも、先発の頂点、打線の接着剤、終盤を締める救援陣のうち2つを実現し、スクバルまで射止めれば勢力図は激変する。資金力とスター軍団で押し切るドジャースに対し、緻密な編成で勝つレイズ。その最後のピースがはまった瞬間、世界一への最短距離に立つのはタンパベイとなる。