プロ野球の将来を担う有望株たちの〝国外流出〟が待ったなしの状況となっている。近年はアマチュア界のトップ選手たちがNPBを経ずにMLBに挑戦するケースが増加。その一因は契約金を巡る「日米格差」にもあるとされ、今後ますます広がることも懸念されている。
NPBでは毎年秋にドラフト会議が実施され、各球団はプロ志望届を提出したアマチュア選手の中から希望選手を指名し、交渉権を獲得する。契約の締結を経て晴れて入団となるが、1年目についてはそれぞれ上限が定められている。
契約金は「1億円」、出来高払いは「5000万円」、そして年俸は「1600万円」だ。これがNPBの新入団選手の実質的な最高評価額となっている。しかし、MLB球団が日本の有望選手に提示する契約規模は軽々と上回る。
例えば、2025年に桐朋高校からアスレチックスとマイナー契約を交わした二刀流の有望株、森井翔太郎(19)の契約金は150万ドル(約2億3000万円=当時)。日本のアマチュア選手が交わした契約としては史上最高額で、これからNPBを経由せずに海を渡るアマチュアのトップ選手にとっては一つのモデルケースとなっている。
しかも、森井の契約が上限と決まっているわけではなく、今後ますます高騰する可能性もささやかれているのだ。
MLBスカウトの一人は「あくまでも選手による。仮に森井がNPBを志望した場合、ドラフト1位で指名する球団もあったと聞く」とひと握りであると前置きした上で「契約金だけで5億円(約314万ドル)や7億円(約440万ドル)規模になっても、メジャー側は投資に見合うと判断すれば、その額を高いとは思わない」と打ち明けた。
今年に限らず、ドラ1候補になり得る大学や高校のトップ選手の中には、MLB球団のスカウトらから獲得候補として熱視線を送られる〝金の卵〟も少なくない。もちろん金額がすべてではないが、条件面でより不利になることも考えられる。プロスペクトのさらなる流出を防ぐためにも、日本球界の契約金の上限を見直す時期にきているのかもしれない。












