大黒柱の穴を、名門は静かに今夏の市場で埋めにいく。米老舗誌「スポーツ・イラストレイテッド」の電子版「ON SI」は15日(日本時間同日)、負傷で戦列を離れているヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(34)の不在を受け、今夏のトレード期限を前にニューヨークが補強を検討すべき有力候補6人を特集した。今季のMLBトレード期限は米東部時間8月3日午後6時(同4日午前7時)。ワールドシリーズ制覇を狙う名門が、このリミットまでに穴埋めへ動くかが焦点となっている。

 同メディアは、ジャッジを欠いてもヤンキースは優勝候補に見えるとしながら「決して完璧なチームではない」と指摘。最大の懸案として捕手陣の打力不足、ブルペンの不安定さ、そして右打者を含む内野補強を挙げた。捕手ではウェルズとJC・エスカラのOPSが低迷しており、代役候補の筆頭としてツインズのライアン・ジェファーズ捕手(29)が登場。今季OPS・949、wRC+163と打撃で際立ち、今オフFAとなる事情もあって市場に出る可能性があるとみている。

代役候補筆頭とされたツインズの捕手ジェファーズ(ロイター)
代役候補筆頭とされたツインズの捕手ジェファーズ(ロイター)

 もう一人の捕手候補はロッキーズのハンター・グッドマン捕手(26)。クアーズ・フィールドを本拠地としながらも敵地でOPS・865を記録するなど、環境頼みではない打力を評価された。一方で、昨季シルバースラッガー賞を受賞した若き強打者だけに、獲得には有望株の大量放出を迫られるとした。

 救援陣ではマーリンズのアンソニー・ベンダー投手(31)とロッキーズのブレナン・ベルナルディーノ投手(34)を列挙。ベンダーは30試合で防御率3・07、被本塁打1本と安定し、終盤を任せられる存在として浮上。左腕のベルナルディーノも高地の本拠地で防御率4・18、通算202試合登板で防御率3・58の実績を持つ。昨季期限で複数の投手を獲得したヤンキースだが、勝負どころの継投を固めるため、再びブルペン補強に踏み切る可能性がある。

 内野ではアストロズのアイザック・パレデス内野手(27)、ツインズのロイス・ルイス内野手(27)が候補に挙がった。パレデスは今季OPS・725、9本塁打、33打点で、マクマホンの不振を補う右打者として有力。ルイスは故障歴こそ懸念材料だが、2023年に58試合で15本塁打を放った爆発力が魅力だ。

 ジャッジ不在の衝撃は、単なる主砲1人の離脱にとどまらない。期限まで2か月弱。名門が頂点を本気で狙うなら、静観は許されない局面に差しかかっている。